2020年 ISPS・コロナに喝!!シニアトーナメント

練習&ランできず 「暗くなっていた」柳沢伸祐が自粛明け希望の1勝

2020/08/01 09:30
今季初戦を制覇した柳沢伸祐(提供:日本プロゴルフ協会)

◇国内シニア◇ISPS HANDA コロナに喝!! シニアトーナメント 最終日(31日)◇朝霧CC (静岡)◇シニア6788yd、スーパーシニア6060yd(いずれもパー72)

約3カ月の遅れで開幕したシニアツアーの今季初戦。8アンダーから出た54歳の柳沢伸祐が6バーディ、1ボギーの「67」でプレーし、通算13アンダーでツアー3勝目を飾った。

終盤16番を終えて後続との差が3打あることを確認し、勝利を確信した。開催の1週間前に加瀬秀樹崎山武志秋葉真一らと2日間の“プチ合宿”を行い、コースを下見した。加瀬からボールの位置とひざの使い方を指摘され、「言われた通りにやったら心地よく振れて、ゴルフの調子は不安なく迎えることができた」

だが、開幕に向けてスムーズに練習に励めたわけではなかった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「3月半ばごろから自粛」とし、屋外でのトレーニングを中断した。政府の緊急事態宣言が出された4月には、テレビでは“密”の象徴として東京と神奈川を隔てる多摩川の河川敷にあるゴルフ練習場の風景が放映された。

「実際はクラブが当たるから3mぐらい離れていると思うけど、“危険”のような報道をされて…プロゴルファーだからこそ、より練習場とかに行きづらくなった。仕事なのに、というジレンマはあった。真面目に家で自粛していたら5キロ太りました」

「ランニングすると飛沫が後ろに飛んで…という話を聞くと、近所の公園でジョギングとかもやりづらい状況だった。ほんと暗くなっていた」という。

見えない敵との闘いにはほんろうされたが、「今大会を開催してくれると聞いて元気が出ました」

試合数が少ない中でのシーズン初戦制覇は、目の前の世界を明るくした。「シード争いがシビアになってくると思うので、この優勝は大きい。室田淳さんから『賞金1位になるチャンス』と言われて、そういうこともあるかなと」

賞金ランキング4位までに入れば来年の「全米シニアオープン」出場権も獲得できる。希望があるから乗り越えられる。(静岡県富士宮市/石井操)

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