ベストスコアの夜も 田村尚之は電車に揺られマッサージ店へ
◇国内シニアメジャー◇日本シニアオープン 2日目(20日)◇日高CC東西C(埼玉県)◇7019yd(パー72)
2日目のベストスコア「66」をマーク。通算4アンダーの3位につけた田村尚之は、夕刻にホールアウトするなり帰路を急いだ。「川越駅からの特急に乗らないといけない!」。目的地は池袋駅。55歳のシニアプロはツアー転戦中、町場のマッサージ店でケアを受けるのが日課だ。
試合期間中はコース近隣のホテルをおさえたがる選手が多いなか、田村の宿選びの優先順位は鉄道駅に近いこと。全国でフランチャイズ展開するマッサージ店のヘビーユーザーで、各地で店舗を探しては列車に揺られて足しげく通う。背中などのハリを取るのが目的ゆえ、通勤時間帯が重なって車内で立ちっぱなしでは元も子もない。だから駅のチョイスにおいては「新幹線か特急が止まる」というのが重要。「1時間以内は圏内」といい、指定席に座って「駅弁を食べながら帰るのがパターン」だとか。
長くトップ選手としてアマチュア界に君臨し、49歳でプロ転向したゴルファーにとっても、資本は体に違いない。ショットは夏場以降、復調傾向にある。主戦場のシニアツアー、地区オープンを含めて目下6週連続で出場しており、「体調管理だけ」が気がかりといえる。
初日の「74」からの挽回は「大変よくできました。“はなまる”です」。2m前後のチャンスを活かし続け、最終18番では見事なパーセーブ。グリーン左奥、芝がボールの背後にある難解なライからウェッジでスピンをかけてピンそば1m強に寄せた。アンダーパーがわずか8人という展開にも「小さくて、おまんじゅうのような(中央がせり上がった)グリーンを上から攻めるほうが自分には向いていると思う。いじめられるのはゴルフ場でも、家でも慣れている(笑)」とにんまり。ガマンのプレーを変わらず心がけた。(埼玉県日高市/桂川洋一)