昨シーズンは原英莉花が躍進 リランキング2年目の見どころは?
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が2018年から導入した、シーズン中の獲得賞金に応じて出場優先順位を組み変えるリランキング制度。昨季はQTランキング117位でシーズンインした原英莉花が1回目に28位、2回目に16位と順位を上げて年間25試合に出場し、賞金ランキング38位で初シードを獲得した。17年までなら出場もままならない立場だっただけに、新制度が生んだ一番の成功者と言えるだろう。
19年シーズンも「アース・モンダミンカップ」(6月27日~)と「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」(9月27日~)終了後の2回で実施。例年40位前後が本戦出場のボーダーラインとされるが、今年はどんな選手たちがリランキングの対象になるのか、シーズン開幕前にチェックしてみよう。
■上位の実力者たち
まず目に入るのが1位の原江里菜、2位の前田陽子、11位の吉田弓美子、22位の表純子らツアー優勝経験者たちだ。実力は十分なだけに、この位置を維持してフルシーズンを戦えばシード復帰の可能性も大いにあるが、昨季は1位の高橋恵が1回目のリランキングで56位まで急降下したケースもある。上位とはいえ油断は禁物、すべての選手にシビアな争いが待っている。
米国から日本に主戦場を移して1年目のシーズンとなる宮里美香にも注目だ。昨年末に初めて出場したファイナルQTは27位。今シーズンからプロテストおよびQT規定が改定されたが、今年のみ「米女子ツアーで2年連続賞金シードを獲得した日本国籍の者」という資格でQTには出場できる。それでも、来年以降の出場権を確実にするためには、優勝か賞金シード獲得が当面の目標となる。まずはフルシーズン出場に向けて、地元で迎える開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で好スタートを切りたいところだ。
■若手の台頭は
ともに20歳の浅井咲希が2位、三浦桃香が6位でQTを通過し、フルシーズンをプレーできるチャンスをつかんだ。浅井は17年のプロテスト合格者で、同期の勝みなみ、小祝さくら、新垣比菜ら“黄金世代”のひとり。三浦は昨季前半戦で優勝争いに絡む活躍を見せたが、シーズン終盤は予選落ちが続いて初シードに届かなかった。2月上旬にはキャロウェイゴルフと用具契約。気持ちを新たに新シーズンに臨む。
18年のプロテスト合格組では、13位に菅沼菜々、20位にトップ合格のエイミー・コガ、23位に脇元華、28位に高橋彩華、40位に渋野日向子、43位に吉本ここねがつけるなど、多くがフル参戦を狙える位置。存在感を示せるか。
■下位から這い上がる!
諸見里しのぶ(68位)、西山ゆかり(75位)、川岸史果(78位)、松森彩夏(80位)、堀琴音(82位)、服部真夕(95位)らのシード喪失組は、フルシーズン出場のために前半戦から結果を求められる厳しい立場になる。
開幕戦には、ダイキン工業所属でホステスプロの諸見里、西山、堀、松森が主催者推薦で出場予定。初戦からスタートダッシュをかけて、昨季の原英莉花が果たした“下剋上”の再現を狙いたい。
そのほか、日本にも多くのファンを持つアン・シネ(韓国)は51位、昨季は新制度に泣いた高橋は94位でシーズンイン。米国ツアーを主戦場にするQTランク外の横峯さくらもリランキングの対象となる。