視線は初勝利と“東京”に 原英莉花がジャンボのアシストで新人戦制覇
◇国内女子◇LPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日(7日)◇グレートアイランド倶楽部(千葉)◇6513yd(パー72)
前日とはうって変わって晴れ模様。スコアの伸ばし合いとなった最終日は、「68」でプレーした原英莉花が通算5アンダーで優勝カップを手にした。出場21人のうち、今季のレギュラーツアーの賞金ランキングで最上位(38位)。終わってみれば大本命の勝利となった。
出だし1番で、「(晴れて)グリーンが乾いて速くなっているのを警戒していた」と8mのファーストパットを1.5mショート。3パットボギーを先行させたがすぐに切り替えた。2つのパー5(3番、5番)をバーディとすると、8番では残り117ydの2打目をPWで放ち、「大きいと思ったがバックしてきて“コロン”という音が聞こえた」とイーグルを奪った。グリーン左に池が大きく口を開ける難関17番(パー3)では、4Iで手前7mにつけ、フックラインを「勇気をもって打ちました」と沈め優勝を手繰り寄せた。苦手としていたホールでの人生初のバーディに「そこで勝負を決められてよかった」と笑顔を見せた。
イーグルも奪取した「アイアンがよかった」と振り返った。前週の月曜日にアイアンのヘッドをミズノプロ 918 アイアンに新調した。その際にシャフトもスチールからカーボンに変更。師匠の尾崎将司から譲り受けたセブンドリーマーズ製のプロトタイプシャフトを装着した。「(以前に)優勝したらくれるって言っていたんですけど、わたしの優勝を待ちきれなかったんだと思います」と話す。「今までのより軽くて、しなるんですけどしっかりして、若干“ボヨン”としている」と表現した代物で、弾道は今までよりも高くなった。
もちろんこの優勝を師匠に報告するのが筋だが、「わたしは頑張ったけど、“当たり前”と言われちゃうかも。あ、このアイアンのおかげで優勝できたって言えばいいんだ」と笑った。
戦い抜いたデビューイヤーを「日々生きているんだなと思いました。頑張った人は向上するし、ちょっとでも息を抜いた人は落ちる」としみじみ振り返った。シードが決まる前は「とにかくシード、シード」と目標に真っすぐだったが、それをほぼ確実なものにしてからは、「自分の実力で優勝できると思えなかった」とモチベーションが落ちたこともあったという。
来季の目標は言わずもがなレギュラーツアー1勝だ。再来年のオリンピック出場も視野に入れる。「わたしの位置だと賞金女王にならないと出られないので、そこを目指して、疲れた時でも常に意識を高く持って、日々取り組みたい」と19歳は目を輝かせた。(千葉県長南町/柴田雄平)