2018年 大王製紙エリエールレディス

1673日ぶりの歓喜 勝みなみを支える家族の絆

2018/11/19 17:00
優勝を喜ぶ祖父の市来龍作さん(左)、勝みなみ(中央)、母の久美さん

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(18日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6525yd(パー72)

2014年にアマチュアで最年少優勝(15歳293日)を果たしてから4年半。20歳になった勝みなみが、プロとしてツアー初優勝を果たした。勝が7歳から競技ゴルフを始めるきっかけを作った祖父・市来龍作さん(78)は、グリーン横で孫の晴れ姿を見届けた。「もう、優勝は無理じゃないかなと思っていた。ここまで長かったですね」。これまで足しげくコースを訪れ、プレーを見守り続けてきた祖父は目を潤ませながら振り返った。

「最初は孫とじいちゃんの遊びだったんだけど、こんなにうまくなるとは思わなかったです。でも半年で私と同じぐらいうまくなった」。2万5000円のジュニア用クラブセットを買い与え、2人で遊びながらゴルフを覚えた。「私はゴルフのプロじゃないし、なんにも知らない。ただ、可愛がるだけでした。難しいことは教えていない」と当時を懐かしんだ。

母・久美さん(51)はプロゴルファーになる夢を全面的に支えた。14年の初優勝の2週間前に、教師として勤めていた小学校を退職。「お金のこととかいろいろ考えました。まだ海の物とも山の物ともいえないのに。でも本人の意思も固かったし、だったら自分も中途半端はよくない」と、1年間考え抜いた末の決断だった。

今季は、8月以降に2度の3試合連続予選落ちを喫するなどスランプに陥った。9月の「マンシングウェアレディース東海クラシック」では、腰痛が悪化して初の途中棄権。久美さんが試合の日程や練習スケジュールを組んでいるだけに、「私のやり方が間違っているのかと。練習が足りないのか、練習をさせ過ぎているのか、方法が悪いのか」と悩みを抱えこんだという。

「ゴルフが大好きな娘。だから自分の思ったプレーができていないことにストレスを感じていた。本当に苦しかった」と久美さん。表彰式後は、家族で優勝カップと記念写真に納まった。ずっと思い描いていた、待望の瞬間。3人そろって、1673日ぶりの優勝を味わった。(愛媛県松山市/玉木充)

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