ショット前に素振り 青木瀬令奈がルーティン変更
◇国内女子◇伊藤園レディス 初日(9日)◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741yd(パー72)
これまで青木瀬令奈はショットの前に素振りをしたことがほとんどなかった。幼少期からの師匠でシニアツアープロの佐藤剛平に「プレーファースト、素振りは多くて1回」と教わったからだ。中学生のころには「ティやボールに向かい、そのまま止まって打つことがルーティンになった」と素振りをしなくなった。
スタートホールの第1打や待ち時間を挟んだ後半最初の第1打は、体をほぐす意味でも素振りをすることはあるが、「それ以外はプロの試合では一回もないと思う」と第2打以降も行わない。パッティングでは小さく数回パターを振る程度だ。ただ、今大会では全ホール第1打の前に素振りをした。
転機となったのが前週の米ツアーを兼ねた「TOTOジャパンクラシック」だ。3日間同組だった31歳、ジャッキー・コンコリノのスイングを見たのがきっかけだ。フェアウェイキープ率は米ツアー全体138位(64.06%)ながら、平均飛距離は全体30位(261.07yd)を記録する。「すごく振り切っていた。第1打ではフィニッシュ後にクラブがすごい速さで戻ってくる感じだった」と印象に残った。
秋口に成績が残せていない理由のひとつが振り切れていないショットだ。「ジャッキーのスイングを見たときに、私も思いっきり一度素振りをしてから打ってみよう」と考えを改めた。
飛距離が伸びたわけではないが、首位と2打差の4アンダー3位発進を切った。「スコアも良かったし、気持ちよく打てたので、素振りは良かったと思う」と2日目以降も続ける予定だ。
3年前、優勝したイ・ボミ(韓国)に2打差で惜敗し涙を流した大会だが「その悔しさを晴らすために頑張ろうって思えた」。新たなルーティンで、借りを返したい。(千葉県長南町/林洋平)