「やっと1勝」川岸史果 初Vで気づいた父の偉大さ
◇国内女子◇マンシングウェアレディース東海クラシック 最終日(17日)◇新南愛知CC美浜コース (愛知)◇6397yd(パー72)
小雨降り注いだ知多半島で、初めて優勝カップを握りしめた。7位から出た川岸史果が8バーディ、ノーボギーの「64」でプレーして、2位に2打差をつける通算13アンダーで初優勝を飾った。本格参戦1年目の栄冠に涙こそなかったものの、「やっと勝てました。やっとです。ほっとしています」と、充実の表情を浮かべた。
前半3番(パー5)が快演の幕開けだ。ピンまで残り7ydのカラーからチップインで沈めて1つ目。続く4番(パー3)では2.5mのチャンスメークからバーディを奪った。「目の前のバーディパットを沈めることだけ考えたのがよかった」と、8番までの自身初という6連続バーディで魅せた。
「100yd以内の精度を高くしたいと思っていた」と、今年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」から導入した弾道測定器「トラックマン」の効果も実感した。
ようやくつかんだ頂点。3度目(2015年)のプロテストで不合格となると1Wのスイング改造に着手した。「調子やタイミングがずれると右や左に飛んでしまう」ことを防ぐために、テークバックを30cm引いたところで一瞬の“間”を置くという、今も貫くルーティーンを完成。4度目(2016年)のプロテストで合格し、国内屈指の飛ばし屋として鳴らす基礎がここで築き上げられた。
国内男子ツアー6勝の川岸良兼を父に持つ。プロゴルファーとして常に比較される存在だったが「父は『1勝しただけではプロとは認めない』と。2、3勝しないと認めてくれないと思う。私はやっと1勝できたところなので6勝の父はすごいと思う」と、偉大さを改めて実感した。
海外での活躍を目指す22歳は、米国ツアーの来季出場権を懸けた2次予選会(10月16日~)にエントリーしている。今季国内ツアー23試合目にして、大きな宿題をやり遂げ「アメリカに行く前に優勝できて本当によかった」と胸をなでおろした。(愛知県美浜町/玉木充)