鈴木愛 母の日に最高のプレゼント
◇国内女子◇ほけんの窓口レディース 最終日(14日)◇福岡CC和白コース(福岡)◇6308yd(パー72)
勝負はバックナイン――有言実行で勝利をつかんだ。3打リードの単独首位で出た鈴木愛が4バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「72」でプレーして、通算7アンダーで逃げ切って今季初勝利。2016年9月の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」に続くツアー通算4勝目を挙げた。
前半4番(パー5)で第3打をピンそば1mにからめてバーディを先行し、後続との差を5打に広げた。だが7番(パー3)でティショットをグリーン右サイドのバンカーに入れると、アプローチはグリーンに届かずボギー。8番では、ティショットを左ラフに曲げ、第2打はグリーン左手前のバンカーへ。ピン2mに寄せたが、パーパットはカップ右に逸れて連続ボギーとした。
「今週はここまでボギーをたたいていなかったから(連続ボギーで)気持ち的にきょうはダメかも」との心を立て直してくれたのは、小畑貴宏キャディだった。「勝負はバックナインだから」と言われ、気持ちをコントロール。冷静さを取り戻し、サンデーバックナインに突入した。
17番でフェアウェイ左サイドを狙ったティショットが「つかまりすぎて」OB。ダブルボギーとしたが、2日間の貯金が生きて、最終日は首位を譲らずゴールテープを切った。
「今朝まで忘れていた」というが、この日は母の日だ。出場する試合のほとんどに付きそう母・美江さんだが、今週は鈴木の妹・花奈さんのプロテスト受験のため、会場には来ないはずだった。しかし、14番プレー中に母の姿を発見。「来る予定なかったのに、来てくれてビックリした」と力になった。
優勝賞金は国内メジャー級の2160万円で、「いつもより多くもらえる」とニンマリ。「母には欲しいモノを聞いて、買ってあげたい」。運転や航空券の手配、ラウンド中の食事を準備してくれる母に感謝したが、“優勝”は何事にも代えがたいプレゼントだろう。(福岡市東区/糸井順子)