日本でリオ五輪を決める!異国の地で最終決戦に挑む世界ランク431位
今週の海外メジャー「全米女子オープン」では、多くの選手が8月のリオデャジャネイロ五輪の切符をかけ、最終決戦に臨む。日本勢は野村敏京がすでに「当確」。残り1枚をめぐり、大山志保(世界ランク42位)、宮里美香(45位)、渡邉彩香(46位)が、直接対決する。イ・ボミ(韓国)も一発逆転を狙い、渡米した。今週、日本でも夢舞台を目指す選手がいる。8日に開幕する「ニッポンハムレディス」で、ツアー初出場するティファニー・チャン(香港)だ。
1993年生まれ、22歳のアマチュア選手。南カリフォルニア大に在学している。日本ツアーに「ずっと出たかった」という。香港GCに相談すると、香港ゴルフ協会に話が通され、今回の出場にこぎつけた。昨年は台湾ツアーで1勝。今季はアジアンツアー「香港女子オープン」で優勝した。実績を引っ提げての参戦に「多くの世界的な選手が活躍する舞台に来られて嬉しい」と笑顔を見せた。
2008、14年にアマチュア大会で2度、日本で試合を経験している。家族旅行では、日本食を楽しむため、京都と北海道を訪れた。「寿司、しゃぶしゃぶ、すき焼き」が好きという。「あとは北海道のアイスクリーム!」と頬が緩んだ。
並々ならぬ思いがある。現在、世界ランク431位で、2番手の選手に470ランク差をつけ香港で1番手につける。同ランクに基づくオリンピックランクでは55位。週明け11日時点の五輪ランクで60位までに入っていれば、リオ五輪の切符を手にできる。
男子ゴルフ界ではジカ熱、治安を理由に多くの選手が辞退を表明しているが、チャンは「絶対に出たい」と意気込む。「スポーツ選手にとって、五輪は最大のイベント。私は(ジカ熱は)影響ないと思っている」ときっぱり。「『国や地域』を背負う点で、五輪ほどのものはない」と力強く続けた。異国の地での最終決戦、米国でも日本でも夢をかけた戦いがティオフする。(北海道北斗市/林洋平)