2015年 樋口久子 Pontaレディス

英字名は“NASA” 初出場単独首位アマ畑岡奈紗の原動力

2015/10/30 18:37
キャディはお母さん。ツアー初出場のアマチュア畑岡奈紗が、史上初の快挙を達成した

その名も“NASA”。アメリカ航空宇宙局と同じ名前を持つ高校2年生のアマチュア畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高)が、国内女子ツアー「樋口久子 Pontaレディス」(埼玉県・武蔵丘GC)の大会初日を4アンダーでラウンドし、アマチュア選手ではツアー史上初となる、初出場での首位発進を決めた。

昨年の「樋口久子 森永レディス」と「伊藤園レディス」で2度マンデートーナメントに挑んだ経験はあったが、通過できず、3度目の挑戦で得たツアー初出場の切符だった。「緊張するとタイミングが早くなる」と自身の欠点を、今朝になって同組予定の選手が体調不良で欠場した状況も生かし、「2サムでゆっくりできてよかった」と絶好のスタートに繋げた。

茨城県笠間市の出身で、中学時代は陸上部に所属。200m走の選手として中学2年時には県大会で7位に入賞した実績を持つ。練習場に通っていた母について行ったことがきっかけでゴルフクラブも振っていたが、当時は自身でもプロを目指す選手になるとは思っていなかったという。中学3年時には中嶋常幸が指導する「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」の門を叩き、本格的に才能を開花させた。陸上で鍛えた下半身のおかげか、1Wの飛距離は優に260ydをかっ飛ばす。

記録的第一歩の原動力となったのは、2014年8月に行われた「日本ジュニアゴルフ選手権競技(女子15歳~17歳の部)」での敗戦だった。2日目までに通算11アンダーとして2位に6打差をつける独走態勢を築いたが、最終日に「75」(パー72)を叩き、2位から出た同学年の勝みなみ(鹿児島・鹿児島高2年)に逆転優勝をさらわれた。

「最終日は頭が真っ白だった」と唇をかんだ悔しさを糧に、今年行われた「IMGA世界ジュニアゴルフ選手権」で個人、団体ともに優勝を果たすなど躍進。今年の「日本ジュニア-」は6位に終わったが、「国民体育大会」では再び個人、団体でW優勝を飾った。

今大会の目標はローアマチュア獲得に置いている。この日もパープレーを念頭に控えめな姿勢で臨んでいたが、「チャンスがあれば優勝を狙いたい」と新たな目標も視野に入ってきた。

2日目は注目を集める最終組で3サムとなる。「(普段の試合では)初日良くても2日目、3日目が良くないので、きょうと同じように冷静にやりたい」。キャディを務める母との二人三脚で快進撃となるか。(埼玉県飯能市/鈴木慶祐)

2015年 樋口久子 Pontaレディス