イ・ボミは最終組で2億円挑戦へ 上がり連続ボギーも「1打差はちょうどいい」
昨年比1289人増となる6919人のギャラリーが詰めかけた国内女子ツアー「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」の3日目。その視線は、史上初の年間獲得賞金2億円超えを目指すホステスプロのイ・ボミ(韓国)の一挙手一投足に注がれた。一時は10アンダーまで伸ばしたイだったが、上がり2連続ボギーとして通算8アンダー。首位と1打差の最終組から、優勝で達成する快挙へと突き進む。
首位を1打差で追って出たこの日、1番(パー5)で2mを沈めてバーディ発進。直後の2番は、ラフからの2打目がグリーンオーバーして寄せきれずのボギーとしたが、5番、6番と連続バーディで巻き返した。折り返した後半も、12番(パー5)、15番、16番とバーディを積み重ねた。
今週が4連戦目。シーズンも終盤となり、疲労が蓄積しているのは誰もが同じ。まして、賞金女王、そしてホステスプロとしてのプレッシャーは計り知れない。15番(パー5)では、フェアウェイから残り222ydの第2打を5Wでミスしてグリーン手前のバンカーへ入れ、バンカーショットはグリーン手前に載っただけ。それでも10m以上のバーディパットがカップへと消えると、イは思わず胸で十字を切って天を仰いだ。
続く16番も2.5mを沈めてバーディとしたが、悔やまれるのは上がり2ホール。ピンが右手前に切られた17番(パー3)では「もう1個狙いにいった」というティショットを、右手前のラフへと落とし、1.5mのパーパットがカップに蹴られてボギーとした。
続く18番。球の後方から目標を決め、アドレスに入ろうとしたところで携帯電話のカメラのシャッター音が鳴り響いた。仕切り直し後のティショットは右にプッシュしてバンカーのアゴ近くにつき、2打目でグリーンを狙えずに2連続ボギーとした。
清水重憲キャディはいう。「(カメラは)イメージを出して、アドレスに入ろうとした瞬間だった。仕切り直したけど、イメージを作り直さないといけないし、選手には“また鳴るのでは?”という疑念が残る。先週の日本オープンでもあったけど、今週は特に多い。歩いているときはしょっちゅうです」。コース内での写真撮影は禁止されているが、こういった事例はあとを絶たない。
それでも「1打差はちょうどいい」とイは笑った。明日は最終日最終組。「この位置にいられて本当に良かったし、明日はホステスプロとして頑張りたい」と、いつもの笑顔で締めくくった。(兵庫県三木市/今岡涼太)