ちょっと異質?プロデビューの19歳「ささきしょうこ」が歩んだ道
石川県の片山津GCで開催されている「日本女子オープンゴルフ選手権競技」で、今年7月のプロテスト合格後初めてレギュラーツアーに出場した、19歳のささきしょうこが初日をイーブンパーの「72」、2日目を「71」でまわり、通算1アンダーの4位タイで予選通過を果たした。
本名は「佐々木笙子」。雅楽で用いられる“笙(しょう)”に代表されるこの漢字だが、試合会場で名前を読み間違えられることもあって、登録名を「ささきしょうこ」とした。「“ささき”は漢字でも良かったけど、字画姓名判断によると、全て平仮名のほうが運勢が良かった」そうだ。
ゴルフを始めたのは小学2年生の頃。テレビで青木功の“世界ゴルフ殿堂”入りの場面を見たのがきっかけだった。ゴルフの“ゴ”の字も知らなかったというささきが「私もこんな風に表彰されたい!」と父・修治さんに伝えると、「それにはまずゴルフを始めるところからだな」と言われ、初めてゴルフクラブを握ったという。
社会人ラグビーの選手経験もあった修治さんは、ささきが9歳のころに本格的にゴルフを始めると「やるならとことんやらせてあげたい」と、脱サラしてゴルフ場へと住み込み、全力でバックアップした。
虚弱体質で学校を休みがちだったというささきだが、今のゴルフを支えるのは身長170cmの恵まれた体格と、鍛えられた身体だ。「ゴルフを始めて最初の半年間はトレーニングが中心だった」と本人も言うように、ジュニア時代には「スコアを求めるよりも、自分のゴルフを作り上げる体力を身につけろ」――体力があってこそ技術も磨かれる、というのが父の口ぐせだった。
こうした父の考えに基づき、ジュニアの大会への出場経験は多くなかったが、2011年の「日本ジュニア選手権」では12~14歳の部で優勝している。
「最初は早くクラブを振りたくて仕方なかったけど、今なら、あのときに父が言っていたことは間違っていなかったと思える」。 父と二人三脚で歩いて来たここまでの道のりには「わたしはほかのプロと同じルートを歩いていないから、ちょっと異質」という自負がある。
修治さんによると、そこで培われたのは「ボギーを打っても、笑っていられる」伸び伸びとした性格だという。個性的なのは平仮名書きの名前だけではない。「ささきしょうこ」に要注目だ。(石川県加賀市/糸井順子)