バイオリンが転戦のお供 世界ランク4位の意外な気分転換法
世界ランク4位の実力は本物だ。石川県の片山津GCで開催されている「日本女子オープンゴルフ選手権競技」初日、米女子ツアーからスポット参戦しているユ・ソヨン(韓国)が、5バーディ1ボギーの「68」をマークして、後続に2打差をつける4アンダーは単独首位でスタートした。
比較的風も穏やかだった午前組で10番からスタートしたユは、2バーディ1ボギーでハーフターン。後半は、最終9番(パー5)で残り92ydの第3打を52度のウェッジで50cmにつけてバーディフィニッシュとするなど、3つのバーディを積み上げた。
「最初から良いスコアは期待していなかったけど、(結果的に)良かった。午後は風が強まる予報だったので、午前スタートだったことも良い結果につながった」と、好条件をしっかり結果につなげ満足そうだった。
今季米ツアーで未勝利ながらトップ10は8度。米女子メジャー「ザ・エビアン選手権」出場から、2週間のオープンウィークを経て来日した。シーズン中盤のビッグトーナメントを終えたところで連戦の疲れもあったため、練習はほどほどに充実したオフを過ごしてきたという。
プロゴルファーではあまり聞かない“バイオリン演奏”という趣味を持つ。ロサンゼルス市内にある自宅ではもちろんのこと、米ツアー転戦中にも息抜き用にキャディバッグとともにバイオリンを持ち歩くことがあるほどだ。もともとバイオリニストである3つ年下の妹・ソミョンさんの影響を受けて弾くようになったのがきっかけと話した。
「ゴルフはフィジカルだけど、バイオリンは心を落ちつけてくれるし、演奏している時は頭の中をクリアにすることができるの。それがゴルフにもいい影響を及ぼしているのかもしれないわね」。最近はバイオリンに加え、ピアノの演奏も始めたとか。
通訳をはじめ周囲の関係者はその人柄についてこう語る。「練習熱心で、どんなに疲れていても、練習やトレーニング、メディアへの対応はきっちりこなす。それでいて周囲を気遣える優しい女性」――。本当なら隙がない。
小気味良いリズムとソリッドなプレーが印象的な才色兼備の25歳。静と動の好バランスが心のゆとりを生んでいるということだろうか。(石川県加賀市/糸井順子)