22位の有村智恵「今年一番楽しかった!」
主戦場とする米ツアーでは来季のシード権獲得が絶望的となった有村智恵が、今週は日本に戻り「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」に出場している。その初日、2バーディ、2ボギーのイーブンパーで22位タイにつけた。
スタートの1番で、16mのバーディパットを2mショートして3パットのボギーとした。「前半はグリーンが重くてパットがショート目になってしまいました」。徐々にタッチは合い始め、6番で上り5mのバーディパットを決めて小さくガッツポーズした。
その後はチャンスにつけることができずパーを積み重ねると、17番で3mのパーパットを外してボギー。しかし、最終18番パー5でバーディを奪い返してイーブンパーに戻した。
ラウンド後の有村は「一言で言うと、楽しかったです。今年で一番楽しいラウンドでした」と声を張り上げた。その理由を「一つは、高校の同級生の原江里菜と同組でラウンドしたことですね。久しぶりだったし、ラウンド中いろいろ話すことができました」と話す。米ツアーでは結果ばかりが求められる状況に自ら追い込んだことで、同組の選手と話す余裕もなくラウンドを続けてきたという。
「あとは、やはりギャラリーの方々の拍手と歓声です。毎ショット、声をかけられるのは本当に嬉しいです。いいショットの時はうれしいし、ミスしたときは頑張れって励ましていただいて。日本でのプレーは環境が良いのは理解していますが、改めてありがたさを感じています」
今季2度目の国内ツアー参戦で、改めて日本ツアーの良さを実感。ところが、有村には来季以降も米ツアーで戦う意志が強い。「今週を含めて3試合出場し、少し休んで、伊藤園レディスに出ます。12月2日からのQT(米ツアーの来季出場資格をかけた最終予選会)に出ます。今週からの3試合で優勝を目指して、日本ツアーの資格でミズノクラシックにも出たい」。
米ツアーと共催の「ミズノクラシック」の出場資格を持たない有村は、3試合で1勝を果たし、出場するという目標を立てている。口にこそしていないが「ミズノ-」で優勝すれば、予選会に出場せずとも来季の米ツアー出場資格をつかむことになる。
しかし、今季苦戦続きの有村から強気な言葉は発されない。「今はQTに向けた準備期間だと思っているので。日本での試合で良いものをつかめたらいい」。ゴルフの楽しさを思い出したように笑顔を連発する有村は、2日目も原と同組でラウンドする。(宮城県利府町/本橋英治)