初の完全優勝に挑む森田理香子 女王の覚醒なるか?
2014/08/23 18:13
箱根の山中を吹き抜けた猛烈な雨と風。「傘が折れるくらいだった」という悪天候の序盤に2連続バーディを奪って飛び出した森田理香子が、この日「71」(パー73)で回って通算8アンダーでホールアウト。2位との差を3打に広げ、単独首位を守り抜いた。
「今日は短いパットを結構外したので、昨日よりは良くなかった。でも、天気が悪い中でバーディが獲れているので悪いゴルフじゃない」。
5番(パー3)で3パット、最終18番でも1メートル弱のパーパットを外すなどミスもあった。だが、それを上回る5バーディを奪って記録したアンダーパーは、この日プレーした92選手中(棄権を除く)、わずか9人のみの世界だ。
前半の8番ではティショットを右に曲げて、球は赤線(ラテラルウォーターハザード)内の芝の上に止まった。なんとか球は打てる位置だったが、森田は競技委員を呼んでルール上の確認をした。「(アドレスするとクラブに)芝が当たりそうだったので、どうだったかなと思って確認した。地面につける(ソールする)のはダメだけど、芝に触るのは良いと言われた」と森田。
最近はルール上のトラブルが増えているが、ミスを未然に防ぐのは大事なこと。この2打目をグリーン手前まで運んで、きっちりとパーセーブ。さりげなく見せた慎重さで、9番(パー5)、11番でのバーディ奪取にも流れを繋いだ。
明日は3日間首位を守り通しての完全優勝に挑む森田だが、それは過去7回の優勝でも成し遂げたことのない勝ち方だ。「それが今の目標です」と森田はきっぱりと言い切った。誰にも影を踏ませることなく、圧倒的な強さを見せつけて勝利すること。今季ここまで、賞金ランキング15位に“低迷”している賞金女王が、覚醒する絶好のチャンスが訪れた。(神奈川県箱根町/今岡涼太)