藤田光里は1差発進 苦手ホール攻略で笑顔が戻る
昨年のクオリファイをトップで通過し、今季からツアー参戦を果たしている藤田光里が「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」の初日に5アンダーを出し、首位と1打差の6位タイにつけた。
大会前日に調子を伺ってみると「まあまあです」と笑顔はなく、うつむき加減の受け答えだった。しかし、好スコアを出してクラブハウスに戻ったこの日の藤田は「昨日はすみませんでした。正直、気持ちが落ちていたので」と、満面の笑顔を向けた。
スコアが良かったことで上機嫌なのかと思いきや「スコアよりも、苦手なホールを乗り切れたのが嬉しくて」と話す。「火曜の練習日も昨日のプロアマも、6番と13番のティショットが立ちにくくて。パーで上がれる自信もなく、どうにもならなかったんです」。
今大会、ティショットでドライバーを持つ回数は、パー3を除く14ホール中7回程度という藤田。鬼門の2ホールに対しても、プロアマ戦まではキャロウェイの『X2 HOTユーティリティ』を使用していたが、「実は今、ユーティリティで良いショットが打てていなくて、昨日、急遽入れ替えたんです」と、昨日の練習後にユーティリティを抜き、替わりに『X2 HOTフェアウェイウッド』の4番を入れたという。
この選択が、苦手ホールの克服に繋がった。6番、13番とその4番ウッドでティショットを打ち、ともにバーディを奪取。6番ではティショットでフェアウェイを捕らえ、2打目をピンの手前3メートルにつけてチャンスメイク。前半に流れを掴むためのキーホールで加速をつけた。
前週は、今季が初のツアーフル参戦となる藤田にとって、初めて経験するオープンウィークだった。休み前の「日医工女子オープン」では最終日に7アンダー「65」を出して3位に食い込んでいただけに、「調子が良かったので、休みになるのが不安でした」という。「でも、右腕を痛めていたので休養も必要だと自分に言い聞かせ、毎日20球程度の練習にとどめてきました」。
試合がなく軽めの練習だけという不安を抱えて会場入りし、さらにコースでも苦手ホールに打ちのめされそうになりながら、初日で克服。梅雨空を吹き飛ばすような笑顔を取り戻した藤田が、残り2日間ツアー初優勝に向けて突き進む。(茨城県阿見町/本橋英治)