2010年覇者の北田、被災地への想いを巡らす
2012/03/15 18:37
2010年に新規開催された「Tポイントレディスゴルフトーナメント」を制し、初代優勝者にその名を刻んだ北田瑠衣。昨年は東日本大震災の影響により中止となったため、1年越しのディフェンディングチャンピオンとして今大会を迎える。
一昨年の最終日は日中を通して強風が舞い、全体的にスコアが崩れる難コンディション。その中で、2位に1打差の単独首位からスタートした北田はパープレーにまとめ、終わってみれば5打差をつけての圧勝を飾った。だが、勝利を収めた舞台でも“相性の良いコース”とは言い切れない様子。「あの時は、全てが噛み合っていたんだな、と改めて感じた。このコースは風もあるし、グリーンも難しい。頭を使いながらプレーしないといけない」。当時の記憶と重ね合わせ、苦笑いを浮かべた。
そして、中止から1年ぶりの開催は同時に、震災から1年の月日が流れたことを意味している。その問いかけに対し、「あの時はゴルフをやっていていいのか、という気持ちを誰もが抱いていた。この試合も中止になりましたし、今もいろいろな想いがあります」と表情を曇らせる。「この1年は早く感じたけど、復興の速度は遅く感じます」。2年ぶりに戻ってきた地で、被災地への想いを巡らせていた。(鹿児島県姶良市/塚田達也)