7オーバーの斉藤愛璃「変に力んでしまった」
2週連続優勝という周囲の期待を背負い、今週は初日に横峯さくら、笠りつ子と同組となった斉藤愛璃。優勝したとはいえ、それまでは42位タイが最高位だっただけに、冷静に考えればその期待はあまりに大きなものと言えるだろう。
朝から冷たい雨が降り続けたこの日。フェアウェイにも所々水が浮き、横峯らはカジュアルウォーターの救済をテキパキと利用する。しかし、斉藤は遠慮からか、緊張からか、前半はこの救済を利用せずに強引に打ち、ダフってミスするという場面が多かった。打ち上げの3番パー5(508ヤード)では、ティショットが右のラフ。2打目を左のラフに入れると、そこからの3打目は前に出すだけ。4打目はエッジまで90ヤード程残っていたが、これをグリーン奥にこぼすと、アプローチもミスして載らず、結局6オン1パットのダブルボギー。前半だけで6オーバー「42」と大きく崩れた。
しかし、ここから斉藤が真価を発揮する。「前半は雨と寒さでショットが崩れ、それが原因で動揺した部分がありました。冷静になれていなかったので、後半は一つ一つ丁寧にやったら、いつもの自分に戻ることができました」。後半2つのボギーを叩きながらも、最終18番では「最後くらい入れたいという気持ちで打ちました」という15ヤードのアプローチを、直接沈めてこの日唯一のバーディで締めくくった。思わず出たガッツポーズは「恥ずかしい」とキャディにこぼしたが、「後半は明日に繋がるプレーができました」と、7オーバーというスコアとは対照的にホールアウト後の表情は明るかった。
同組で回った横峯も「打つまでの流れがいい」と斉藤を評する。本人は「ゆっくりやると固まってしまうから」とアドレスに入るとすぐにバックスイングを開始する歯切れの良さが特徴だ。この日のようにハーフターンですぐに切り替えられるのもさすが。「明日は良いゴルフができるんじゃないかと思います」と、きっぱりと言い切った。(高知県香南市/今岡涼太)