賞金女王のアン・ソンジュ「寂しさを練習で満たしました」
2011年国内女子ツアーの賞金女王はアン・ソンジュの2年連続での戴冠となった。「大王製紙エリエールレディス」を終えて、平均ストローク1位、平均パット数3位、パーセーブ率1位、パーオン率3位、リカバリー率4位、平均バーディ数2位。イーグル数のみ15位だが、それ以外のすべての項目でトップ5に入るという万能ぶりだ。
今大会を制した李知姫は「ソンジュは飛ぶし、飛ぶわりにまっすぐ行く。アイアンショットが去年より安定していて、ミスをしても良いところに持っていけている」と、その強さを分析する。さらに「女王を獲って、余裕を持ってできている」と、精神面での安定も指摘した。
当の本人も「ゴルフより精神面が強くなったと思います。プレッシャーに耐える危機管理能力、メンタルが強くなったと思います」と、その成長を挙げる。日本ツアーでの2年連続賞金女王のニュースが韓国ではどのように受け取られると思うかと聞かれ、「それは分からないけれど、私の悪い部分も良い部分も関心を持ってくれればうれしいと思います。甘い言葉も苦い言葉も受け入れる準備はできています」と、アンに対して厳しいという韓国メディアにもその胸襟を開く寛大さが印象的だった。
一方で、韓国選手の日本での強さの理由を聞かれ、「どうしても一つ挙げるとしたら、寂しさだと思う」とアンは言う。「韓国にいるときは、車もあったし友達も居て、気分転換の遊びが多いので練習も1~2時間しかできなかった」と打ち明けるが、日本では「9時にコースに入ると17時に帰る。格段に練習量が増えました」と、ゴルフに打ち込むことでその寂しさを満たしているという。
それでも、日本ツアーで戦ううちに日本語も覚え、友達も増えてきた。さらに協会に寄せられるファンメールの数も増え、「うれしいです」と笑顔を見せる。日本に慣れれば慣れるほど、練習時間は削られていくのかもしれないが、「私は日本が大好きです。こういう好きな気持ちを持って日本でプレーをしていきたいです」と、来年以降も日本ツアーで戦うことをにこやかに宣言した。(香川県三豊市/今岡涼太)