男子ツアーでの人気が女子ツアーにも波及、ニューeggスプーン/チームPRGR
タフな距離、深いラフ、うねったグリーンとメジャー大会に相応しいコースセッティング。第43回目を迎えた日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯は大会史上初の奈良県での開催となった。その舞台は同県吉野郡吉野町のグランデージゴルフ倶楽部(6601ヤード、パー72)。
公式戦ではフェアウェイ幅が25ヤード前後、ラフの長さは8センチから10センチというのが基本的なセッティングの決まりがある。フェアウェイを確実に捕らえるかどうかが、スコアを左右するのはもちろんだが、同コースのグリーンは大きなアンジュレーションが施されているのも特徴の一つ。ピン位置の面に乗せる的確なショットも求められる。
練習ラウンドでは、チームPRGRの菊地絵里香は、そんな厳しいセッティング対策のひとつとしてニューeggスプーンを試打していた。
「男子ツアーで使用者が増えているという話を聞いて、ぜひ試したいと思っていました」と菊地。パー5の2打目地点からニューeggスプーンでグリーンを狙った。2回ショットし、いずれもボールは高い弾道でグリーン方向へ一直線に飛んで行った。
「やさしいという言葉がピッタリですね。ボールは高く打ち出されるし、直進性がある。ミスヒットしそうなイメージがまったくわきません。ボールをコントロールしやすい感触もあります。前モデルよりも確実に進化していますね」。
タフなコースで巡り会った強い味方に、菊地は昨年の同大会でマークした自己最高順位の単独6位を上回れそうな手応えを感じているようだった。
しかし、メジャーの舞台はシビアだ。フェアウェイを捕らえられず、深いラフに捕まるとパーセーブが難しくなる。大会初日ながらピン位置はまるで最終日のようにフラれ、大きくうねったグリーンがパットの難度を高める。
チームPRGRの原江里菜は、ボギーを打った次のホールでバーディを取り返しながら、またボギーを叩く。前半9ホール目で再びバーディを奪い返して1オーバーに踏み止まってハーフターン。後半に入るとプレーの流れが悪い方へと傾き、9オーバーと大きく出遅れてしまった。菊地はパーセーブが9ホール、3バーディ・5ボギー・1ダブルボギーと出入りの激しいゴルフながら4オーバー・59位タイと耐えた。
4日間競技のメジャー大会だけに、まだまだ巻き返しは可能。「ショットもパットも決して悪くはないので、明日からは(コースに)負けないゴルフで上位に食い込みます」と菊地は闘志を見せていた。