2026年 台湾ホンハイレディース

ただ一人の60台で逃げ切った 開幕2戦目で優勝した菅楓華の急成長

2026/03/15 18:55
開幕2戦目でシーズン初優勝を手にした菅楓華

◇日台女子ツアー共催◇台湾ホンハイレディース 最終日(15日)◇オリエントG&CC(台湾)◇6720yd(パー72)◇晴れ(観衆4490人)

「これでいける!」。菅楓華はそう思ったのかもしれない。後半13番(パー3)、15mのフックラインを描き、ボールがカップに消えると笑顔で右手を握りしめた。アンダーパー一人旅は通算5アンダーまで伸びた。

3打のアドバンテージを持ってスタートした最終日、自分の1組前を回る昨季の年間女王・佐久間朱莉、メジャー覇者の古江彩佳の存在を「すごく感じていた」という。ボギー、ダブルボギーがすぐに来る難コース。「自分が追いかける気持ちでいこう」と念じていても、スコアを守りたい“欲”は出る。

15mをねじ込んだ13番が勝負を決めた

2バーディ後に迎えた7番パー3で、10mのバーディトライを2mショートしてボギー。8番はグリーン手前ラフから打ち上げ、ピンまで10yd弱のアプローチが面に届かず戻って来た。7mのボギーパットをねじ込み、最悪の事態は回避したが「焦りというか、冷静になれなかった」と心境を明かす。それでも勝った。425ydと長いホール別難度4位の9番を2パットのパーでまとめると、勝負どころのバックナインは10番から6ホールで4バーディを奪取した。

昨季は開幕3戦連続最終組と絶好のスタートを切りながら、初優勝は28戦目の9月「ミヤギテレビ杯」。今季はまだ2戦目。「早く優勝できたことが素直にうれしい」。ただ、もう地力はあった。ノーシードから結果的にフル参戦して年間ポイントランク4位になった昨季は「体を大きく強くしないと」と必死で食べてトレーニングして、5kg増の体重66kg(168cm)で迎えた。今季は「食べ過ぎなのか一時70kgまでなって」と絞り込んで66kgで開幕した。体重は同じでも、1年の戦いと経験が詰まった66kgだ。

高額賞金大会は「気合が入ります」

日本勢の参戦が当たり前になった米女子ツアー。菅は今季の目標を「年間3勝」と「メジャー挑戦」に掲げており「今、海外は考えていません」と明言する。しかし、古江も山下美夢有も竹田麗央も当初は「考えていなかった」というシーズンに21歳、22歳という若年で挑戦を決めた。菅は5月に21歳。スタートダッシュに成功し、躍進が続けば状況はどうなるかわからない。

賞金総額200万ドル(約3億1542万円)と6月「アース・モンダミンカップ」の4億円に次ぐ高額賞金大会で、優勝賞金36万ドル(約5677万円)を射止めた。「高額大会は頑張りたい」と思っているが「欲が全くなくて…」と照れ笑いする菅は、賞金の使い道を問われて「ガチャガチャを無限に回したい」。1回300円でお菓子の「ピュレグミ」を集めることにはまっている。そんな無邪気な20歳が、間違いなく今季ツアーの主役の一人になる。(台湾・桃園市/加藤裕一)

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