ママとして感じた手応えと難しさ シード逃した宮里美香はQT挑戦を“保留”
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 2日目(15日)◇エリエールGC松山(愛媛)◇6575yd(パー71)◇曇り(観衆1697人)
産休制度により、今季シード選手として復帰した宮里美香がシーズンを戦い抜いた。メルセデスランキング65位から、逆転シードが懸かるラストチャンスは通算2オーバー77位で予選落ち。「途中から早かったですね。夏以降、身体が戻ってきたかなって感じで、(9月の)日本女子オープンでもいいプレーができた。初めて経験する(母として戦う)1年で、手探りでもありましたし、いろいろ感じる部分がありました」と表情は明るかった。
2022年12月に第1子を出産し、今季開幕から復帰。春先は試合勘を取り戻すことに苦労した。沖縄出身ながら「ホントに暑さに弱くなってしまって、そこはきつかった」と出産を経たことによる身体の変化も実感。その中でも徐々にアジャストし、トレーニングでも最近の方が動けるようになってきたとうなずく。子どもの成長を一瞬たりとも見逃したくない思いで葛藤も抱えつつ、母にも育児を手伝ってもらって両立を模索してきた。
予選同組だった神谷そらとの1Wショットの飛距離差は「50ydくらい。ハッキリ言ってもらって大丈夫です」と自虐節が出るほど。ショートゲームで対抗できる部分はもちろんあるが、やはり年間を通して見ればパワーゲーム化が進むツアーを戦い抜くハードル自体も上がっている。「だから、自分に向いているコースと向いていないコースをしっかり見極める必要がある」。試合数を絞って調整するのは育児との両立を考えた時にメリットもあるが、出場義務試合数をクリアしなければならないという問題も出てくる。
26日から静岡県の葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コースで行われるファイナルQTについては「保留」とした。改めてツアーで戦う楽しさを実感した一方、2人目の子どもが欲しい気持ちもあると明かす。「自分がどこまでゴルフを突き詰めたいかっていうこともあるし、家族との時間もある。すぐ『行きます!』とは言えません。中途半端な気持ちでやりたくないですし、それなりに覚悟しないといけないですから」。日本女子オープン2勝、米ツアー1勝を誇る35歳は少しだけ時間をかけて決断を下すつもりだ。(愛媛県松山市/亀山泰宏)