年間レース2強の頂上決戦 竹田麗央と山下美夢有がナショナルオープンで最終日最終組
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 3日目(28日)◇大利根CC 西コース(茨城)◇6845yd(パー72)◇曇り(観衆5068人)
女子ゴルファー日本一決定戦にふさわしい状況が整った。3日目を終えて竹田麗央と山下美夢有が通算8アンダーの首位で並ぶ展開。今季6勝とブレークして年間レースのメルセデスランキング1位に立つ竹田と、シーズン未勝利ながら2位につける2年連続年間女王の山下。国内ツアーをけん引する2人が2サムで最終日最終組を回る。
5打差8位から出た竹田はこの日のベストタイとなる「67」をマーク。出だし1番から圧倒的な飛距離のパワーフェードでフェアウェイを捉え、8Iのセカンドをピンそばにピタリと絡めるバーディ発進。「スタートホールからショットもパッティングもすごく良かった」と気持ちよく飛び出し、後半インコースでも4バーディを量産した。パー5の13番はセカンドでグリーン近くまで運んでアプローチを絡め、15番はフェアウェイバンカーからのセカンドで2mのチャンスメーク。17番は手前からチップインと爆発力を見せた。
山下、古江彩佳との予選同組で、初日からトップを争う2人に後れを取る形だった。それでも「4日間と長いので、何日間か頑張ればいいと思っていた。最終日に優勝争いをする位置にいることが大事なので」。今季だけで何度も積み重ねた成功体験が、21歳らしからぬ落ち着きをもたらしている。
単独トップで出た山下は「72」のパープレー。「ショットもパターもイマイチで、全体的にあまりいい感じではなかった」と振り返る。ウォーミングアップの段階でフィーリングの悪さを自覚することはなかったというが、「いい時って、あんまり何も考えていない。その状態に持って行ければ、いい状態なのかなって」
3番でボギーが先行。5番(パー5)で取り返しても、7番でボギー。「ホントに我慢しながら回っていました」と話すように、そこからはスコアを落とさずに後半13番(パー5)で3打目のウェッジショットを上4mにつけ、スライスラインを沈めて小さくガッツポーズ。14番も8mのフックラインを流し込む2連続バーディとしたが、要所でショットが左に飛んで波に乗り切れなかった。
「(メジャーということもあって)選手全員がやっぱりいい状態で迎えていると思う。それは私もそう。その中で勝つのはやっぱり違う」と力を込める山下に対し、竹田も「最後まで諦めずにプレーしたい」と譲るつもりはない。
竹田には7度達成の樋口久子、2019年の畑岡奈紗に続く史上3人目の同一年の日本タイトル2冠、山下には史上最年少23歳58日での国内メジャー3冠が懸かる。まさに頂上決戦の最終日となる。(茨城県坂東市/亀山泰宏)