2年連続で泣いた1打の壁 アマ寺岡沙弥香の“スポ根”練習「命の危機も(笑)」
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 初日(26日)◇大利根CC 西コース(茨城)◇6845yd(パー72)◇晴れ(観衆4640人)
アマチュアの寺岡沙弥香はこの大会を終えたら、同じ茨城の大洗GCに寄っていく予定だという。約1カ月後に控える日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテスト会場。過去2年連続で合格にあと1打届かなかった。
兵庫県の小野GCで行われた最終予選を7人が並ぶトップで通過して乗り込んできたナショナルオープンが、今季初のツアー競技参戦でもある。プロテストでのリベンジへ、じっくりと取り組んできた。「1打の重みを2年続けて痛感したので、調子が悪くても絶対にオーバーを打たないように、と。それを極めるじゃないですけど、去年に引き続きやってきました」と明かす22歳の練習法は、2002年生まれにして“昭和”の香りが漂う。
練習段階から一打にしっかりプレッシャーをかけるため、ショットもパットも「『これができたら水分補給』とか『これができたら帰っていい』とか、結構(自分を)追い込みますね」。この夏は記録的な暑さだっただけに「ちょっと命の危機を感じることもあるんですけど…」と冗談めかすが、覚悟を持って日々の練習に向き合ってきた。2022年の「日本女子アマ」優勝は「もう、だいぶ前の話」と笑い、いまの自分を高めることに必死だ。
初日は2ホール目の11番(パー5)で先行したボギーで逆にスイッチが入った。「『何してんねやろ?上の空じゃ、あかんな』って」。その11番と後半3番で喫した2つのボギーは、いずれもティショットがラフにつかまった。「でも、ラフに入れたのはその2回だけですね」。安定したショットから5バーディを奪って3アンダー「69」。首位と4打差4位の好位置で滑り出した。
後半、難関7番では8mほどを流し込むバーディ。先に打った同組の全美貞(韓国)のラインも“先生”になってフックラインを読み切ることができた。「もう1個、どこかでちょっと長めのバーディパットが入ったんです」と言ってヤーデージブックを見返し、10秒ほど。「あっ、これ違うわ。そこ(7番)だけやったみたいです…」と愛嬌たっぷりにオチをつけたが、それだけ懸命のプレーだったことの裏返し。プロテストへ弾みをつける4日間を目指す。(茨城県坂東市/亀山泰宏)