桑木志帆は初の首位発進 ショット全データをまとめる父の助言でギア変更
◇国内女子◇ニチレイレディス 初日(14日)◇袖ヶ浦CC新袖コース(千葉)◇6621yd(パー72)◇晴れ(観衆2930人)
桑木志帆がツアー初の首位発進を決めた。前週は体調を崩して予選落ちを喫したが、週末を休養に充てられたことは「プラスに考えて」今週を迎えた。回復した体で臨んだ18ホールは1イーグル、4バーディの「66」でプレー。小林夢果と並ぶ6アンダーでトップに立った。
今週からクラブセッティングを一部替えた。パターをピンの「ANSER(アンサー)2」にしたほか、1W、3Wともにシャフトを変更。3Wに関してはロフト角を13.5度から15度に寝かせる調整も重ねた。
「『いいな』と思ったら、やっぱり試合で試してみないと。ノリと勢いで」とシーズン中の変更に躊躇(ちゅうちょ)を見せないのは、実は緻密なデータ採取があってこそだ。
各地を転戦しながら試合に臨むうえで、家族が帯同している選手は多い。ツアー初優勝を目指す21歳の桑木もそのひとり。毎週、毎試合に父親の正利さんが付き添っている。
サポートは移動のみに留まらない。コーチを務める中村修氏によると、正利さんは昨年から全ショットのデータ収集を始めたそうだ。「ヤーデージブックを全部コピーして、手書きでショットがどこに行ったのかを全部メモしていた。スプーン(3W)でいえば、何回打ったのか、フェアウェイに何回行ったのかをつけていて、それで『ロフト角を寝かして高さを出したら、数値がもう少し良くなるのでは?』って」。そんな裏付けがギア変更につながっているという。
今大会の最終日、6月16日は父の日と重なる。桑木は「一番いい形で終われたらいいな」と、密かに最高の恩返しを思い描いている。まずは最終日を好位置で迎えられるように「18ホール頑張りたい」と、首位に並ぶ小林、1打差の大里桃子ともに最終組をプレーする2日目を見据えた。(千葉市若葉区/石井操)