まさかの“足し算ミス”から約2年 初優勝の準備が整った内田ことこ
◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン3日目(8日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6526yd(パー72)◇晴れ時々曇り(観衆5958人)
2022年3月20日の「Tポイントレディス」最終日。「緊張というより、舞い上がっちゃっていて…。あんまり覚えてないんですよね」と内田ことこが振り返った。
首位との2打差を追って4位から出た。8番から13番まで怒涛の6連続バーディ。14番でリーダーボードを見た。「え?1位じゃん?」。そして15番でOBからダブルボギー。2打差4位で終わった。まさかのショットは悪くなかった。「距離計算で足し算を間違えたんですよ」。持ってはいけない番手で打って、ボールがOBゾーンに消えたのだ。
岩井ツインズと同学年で2020年度プロテスト合格の同期。メルセデスランキング45位で初シードを決めた昨季は8月「CATレディス」「ニトリレディス」で2週連続4位になるなど、経験も積んできた。
6位から出たこの日は、粘り強かった。スタート1番(パー5)でバーディを奪い、3番(パー3)は6番アイアンで1mにつけてバウンスバックした。会心のパーセーブは5番。グリーン手前から打ち上げ、手前ピンに向けてダウンスロープが入るアプローチを手前エッジにピンポイントで着弾させ、2mに寄せて沈めてみせた。
「今日はアプローチ、パターが特に良かったです」。後半は最終18番こそティショットが左のウォーターハザードにつかまりボギーにしたが、10、12(パー5)、13番で2m以内につけて3バーディを奪った。自分で“流れ”を作った「69」で、ツアー通算94戦目(アマチュアの6試合を含む)にして初めて、首位で迎える最終日を手に入れた。
初めてシード選手として臨む今季は14試合で予選落ちが6回、メルセデスランキング74位にいる。「でも、ずっと調子は悪くないんです。ただ、練習場で打つ球が試合になると打てない。それが毎試合続いてきたんです」。ツアー仲間の橋添穂、山路晶には何度も食事をともにして、気持ちを楽にさせてもらってきた。
「今年の目標ですか? 優勝です」。準備はもう整ったと思っている。(神戸市北区/加藤裕一)