西村優菜の「特別な一日」 宮里藍さんから授かった金言は
◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 事前(1日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6665yd(パー72)
あいにくの雨だったプロアマでも、西村優菜のテンションは高かった。同組は元世界ランキング1位の宮里藍さん。ジュニア時代から憧れ、現在の主戦場である米ツアーでも輝かしい実績を残した大先輩と初めてのラウンド。「朝は右手と右足が一緒に出るくらい緊張していた」と言いながら、「こんな機会ないので!」。勇気を振り絞って質問攻めにしたという。
技術的な話はもちろん、メンタルコントロールや米国での生活にいたるまで…。「内容は秘密です」と笑った後、シークレットの一端を明かした。ともに飛距離で勝負するタイプではないだけに、米ツアーならではの硬いグリーンでボールを止められずに苦労した経験も共通している。「でも、どこかに“隙間”はあるから。その隙間探しだね」という言葉が胸にストンと落ちた。「夢のような時間。すごく特別な一日になりました」と感謝の気持ちがあふれた。
米ツアーのオープンウィークを利用し、今季初めて日本ツアーにスポット参戦する。3年ぶりに舞台となる茨城ゴルフ倶楽部 東コースは、2021年に国内メジャー初制覇を成し遂げた場所だ。「イケイケドンドン、怖いもの知らずで攻められる回数も多かった。いま思うと若かったなって(笑)」。タフな海外のコースでは、リスク管理の重要性も増す。時としてシンプルに思い切りよく戦えないジレンマを感じることもあるが、「考えながらやっている証拠なので、そんなにネガティブな感じではない」。渡米前とは違う自分でコースと向き合う。
変わらないものがあるとすれば、理想のスイング。特に3年前、当地で優勝した時のスイングは、米ツアー転戦中もよく見返しているという。「結構テークバックでゆったり振るんですけど、あのテンポがすごく好きで。“お気に入り”に入れてます」。フィーリングの変化など、ショットに苦しんだ時に立ち返る原点ともなっている。
ゴールデンウィークが重なり、米ツアーではなかなか味わえない大観衆も気持ちを高ぶらせてくれる。「久々の大ギャラリーの中でプレーできるので、その幸せを感じながらプレーしたい」。もちろん目指すのは、3年ぶりのコース連覇だ。(茨城県つくばみらい市/亀山泰宏)