史上初の「同一大会3度のエース」 高額バッグ購入後の鈴木愛はニンマリ
◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 最終日(31日)◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡)◇6564yd(パー72)◇晴れ
2017年、19年の賞金女王・鈴木愛が11番(パー3)でキャリア5度目のホールインワンを決めた。今大会は17年大会2R(4番ホール)、23年大会3R(17番ホール)でも達成しており、同一大会で3度目のエースはツアー史上初となった。
追い風の中、実測148ydを8Iで打ち、ピン手前約3mにキャリーして、そのままカップに吸い寄せられた。雲の合間からのぞく太陽光線で「まぶしくて。入るところは見えなかった」と言い、ギャラリーの歓声で気付いた。「打った感触は良くて。でも、フォローの風に乗った感じだったのでむしろ『グリーンに止まれ』って」。入ったのが分かると何度も小さくジャンプし、キャディとハイタッチして喜んだ。
今週は決勝ラウンドのパー3全部に賞金300万円がかけられ、達成者全員に権利があった。「今週の頭にちょっとお買い物してお金を使っちゃって。取り戻したいと思っていたので“いいお小遣い”になりました」。買った品物はバッグ1つ。「100万円ちょっと…(お店の人から)『こういうのありますよ』って言われて。特に欲しいものがあったわけじゃないんだけど、可愛いのがあったので」。その“おつり”が来る一振りだ。ちなみに、17年は予選ラウンドだったため主催者の厚意で10万円を獲得、23年大会は300万円をゲット。3打で計610万円を稼いだことになる。
今季は出場4戦ですでに2勝しているが、3週連続Vのかかった前週「アクサレディスin宮崎」はショット、パットがかみ合わずに予選落ちした。今大会も「出だしからショットがあまり良くなくて。結構左右に散っていた」と初日「72」の53位と危うい出だしだった。
「今朝のスタート前練習でショットの動画を撮ってもらったら、調子が良い時に比べてクラブのシャフトが少しインサイド気味に入ってドロー回転が強いかなと思って」。スイング軌道を見直したのが奏功した。「だいぶ良くはなって来ているかな。先週よりは確実にいい」。最終日はエースに加え4バーディ、1ボギーの「67」。通算4アンダーまでスコアを伸ばし、笑顔が絶えない一日になった。(静岡県袋井市/石井操)