歩測からGPSへ 女子ツアーの飛距離計測に“新兵器”が登場
岩井千怜の優勝で幕を開けた国内女子ツアーの2024年シーズン。その「ダイキンオーキッドレディス」の会場で、ボランティアスタッフが見たことのない機材を使って作業をしていた。一体、何をしているのだろう…?
作業スタッフがいるのは、ドライビングディスタンス計測ホールである4番と11番(いずれもパー5)の2打目地点。ひとりが1mほどのスティックらしきものを持ち、もうひとりが携帯サイズの電子端末を操作している。話を聞くと、飛んできたボールの場所にスティックを真っすぐ立たせることで、衛星を通してGPSの位置情報をキャッチ。端末に選手の飛距離が表示される仕組みなのだという。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の広報担当によると、今季からこの機材を取り入れて飛距離を計測するとのこと。これまでは計測ホールの両サイド200ydあたりから10yd刻みでペイントして印をつけておき、外注の専門スタッフが歩測をして数字を出していた。この新システムを導入したことで、作業効率は上がったそうだ。
事前に必要な作業は、各日第1組のスタート前に計測ホールのティイングエリアで基点を設定するだけ。開幕前に行っていたペイント作業の手間も省ける。「計測に必要な人は3人ぐらいで済む。やろうと思えば1人でもできるので、(計測要員の)ボランティアさんが半分くらいの人数になった」(同担当)という。
計測に用いられるのは、公平性を保つため基本的に平坦なホールのみ。第2戦「明治安田レディス ヨコハマタイヤ」(高知・土佐CC)では使用しないが、第3戦「Vポイント×ENEOS」(鹿児島・鹿児島高牧CC)から再投入される予定だ。
プロならではのパワーや技術が数値化されるドライビングディスタンスは、ゴルフファンの関心も高いスタッツのひとつ。今シーズンも大いに注目していきたい。(編集部・石井操)