注目の「高卒3年目」 今季の女王争い&ブレーク候補に名乗り出るのは?
◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 事前情報◇沖縄・琉球GC◇6595yd(パー72)
20歳前後の躍進が定番化した近年の国内女子ツアーで、一つの傾向がある。年間女王を初戴冠した山下美夢有、5勝でメルセデスランキング(MR)2位になった西郷真央の2022年。岩井明愛・千怜が“ツインズ5勝”を記録した2023年。メジャー「AIG全英女子オープン」で歴史的優勝を飾った渋野日向子の2019年。彼女たちは当時「高卒3年目」だった。
男性より早熟とされる女性が肉体的にピークを迎えるのか? プロの経験値をほどよく積み、適度に“怖いもの知らず”なのか? 今年の「高卒3年目」の顔ぶれは―。
櫻井心那(23年4勝、MR5位)
2022年に下部ツアー初の年間5勝、昨季はレギュラーで“10代4勝”。ドライビングディスタンス3位(258.59yd)のパワーフェードを生かしたショット力ですでにブレーク済みだが、100yd以内に磨きがかかれば、2年連続年間女王・山下美夢有の最有力対抗馬に?
神谷そら(同2勝、MR19位)
昨季は「フジサンケイレディス」、国内メジャー「日本女子プロ選手権」と2勝したが、MRは19位。ドライビングディスタンス1位(260.82yd)の豪快さと裏腹に、出場37試合で予選落ち13回、棄権2回。安定感さえ出てくれば。
竹田麗央(同MR22位)
元賞金女王の平瀬真由美が叔母で、母は平瀬をして「運動能力は私より断然上」という同じく女子プロの哲子。昨季ドライビングディスタンス2位(258.91yd)の飛ばし屋で、ツアー未勝利ながらトップ10が8回。ホール別平均スコアが80位のパー3を克服すれば。
佐藤心結(同MR39位)
プロテスト合格直前の21年10月「スタンレーレディス」で2位となり、ルーキーイヤーの22年にMR29位で初シード。しかし、昨季は出場36試合で予選落ち15回、トップ10は4回。パーオン率が17位から39位、パットも苦しみ伸び悩んだ。今後を占う1年に。
尾関彩美悠(同MR41位)
ルーキーイヤーの22年9月「住友生命Vitalityレディス」で初優勝を飾り、MR42位で初シードを決めたが、昨季は優勝なし。エースのアイアンが決まらず、開幕から出場20試合で予選落ち14回と大苦戦した。今季は序盤戦から流れをつかみたい。
川崎春花(同MR48位)
ルーキーの22年に国内メジャー「日本女子プロ選手権」で「19歳133日」の大会最年少優勝、「マスターズGCレディース」で2勝目と、今年の「高卒3年目」で最初に芽を出した。しかし、昨季はパーオン率が72.0486%から68.2353%にダウン。ショットが復調すれば。
小林夢果(同MR157位、QT8位で前半戦出場)
ジャンボアカデミー出身。21年度プロテストで櫻井、竹田、佐藤、尾関、川崎と“高校生合格”を果たし、昨季は下部ツアー最終戦でプロ初優勝、ツアー出場4試合の規定ラウンド数不足ながら、ドライビングディスタンスは266yd。今季は初のツアーフル参戦を目指す。
吉澤柚月(QT28位で前半戦出場)
昨年11月の23年度プロテスト合格したルーキー。「新人戦 加賀電子カップ」は18位。最終QT28位で今季ツアー前半戦をほぼ出場できる見込み。
池ヶ谷瑠菜(QT65位)
22年度プロテストに合格。ルーキーだった昨季はツアー出場21試合で「楽天スーパーレディース」19位を最高に予選通過8回。今季はQT65位のため下部ツアーが主戦場の見込み。
もちろん注目は「高卒3年目」だけではない。「高卒4年目」にも、昨季2位3回などシーズン未勝利者で最高のMR10位となった桑木志帆、同25位の佐久間朱莉、同27位の仁井優花、同45位の内田ことこらがいる。
今季は吉田優利、西郷真央、稲見萌寧が米ツアーに主戦場を移し、主力プロの離脱が目立つ国内女子ツアーだが、穴を埋めるタレントは数多くそろっている。