横峯さくら「厳しいけど」 伸ばせずQTランクは41位
◇国内女子◇QTファイナルステージ 最終日(1日)◇葛城GC宇刈コース(静岡)◇6421yd(パー72)◇曇りのち晴れ
横峯さくらは専属キャディでもある夫、森川陽太郎さんと一緒にクラブハウス内であいさつに回っていた。「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」。頭を下げるママの胸に抱かれていたのは、来年2月で3歳になる長男・桃琉(とうり)君だ。
来季ツアー前半戦フル参戦可能な35位前後フィニッシュへ。40位タイから巻き返しを狙った最終日、2バーディ、2ボギーと伸ばせずに「72」で終わった。
「厳しいけど、アンダーで回りたかったですね。“振れてない”と気づいて修正した後半はショットも良くなったんですが」。スコア上は37位タイだが、同スコアの場合、最終ラウンドの好スコアを優先するカウントバックによる順位付けでQTランクは41位。今季実績から考えれば、第1回リランキングまでの16戦で9試合に出られた“微妙な位置”に思わず苦笑いが浮かぶ。
しかし、まだまだやる気だ。2015年から参戦した米ツアーを21年の桃琉くん出産を機に撤退。国内に主戦場を戻した22年は出場28戦、今季は17戦にとどまり、来季10年ぶりのフル参戦は叶わなかったが、ツアーで最低限戦える条件は手にした。
「ゴルフは半年前とは比べ物にならないほど良くなってます。でも、まだまだレギュラーの上位では戦えない」。今オフは100yd以内のショートゲームを重点的に鍛える。今季はプロデビューの2004年以来19年ぶりに下部ステップアップツアーでも3試合に出たが、それもすべてはレギュラーで優勝を狙うためだ。
そろそろ桃琉くんも“ママの仕事”に気づく年頃。「わかってるんですかねえ? ゴルフより車や電車ばかりが好きで」。それでも、おもちゃのゴルフクラブを与えても、横峯のクラブに手を伸ばし、カップにボールを入れて大喜びしているとか。「主人と私の希望としてはゴルフをしてほしいんです。サッカーとかはケガが怖いし」
子どもに勇姿を見せたい。夫と勝利を分かち合いたい。38歳で迎える2024年も、横峯はツアー通算24勝目だけを目指していく。(静岡県袋井市/加藤裕一)