唯一の60台で3位浮上 佐久間朱莉がジャンボに言われた「そこら辺」を捨てるとき
◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 3日目(6日)◇茨城GC西コース◇6780yd(パー72)◇晴れ(観衆7164人)
正午時点で6.2m/sの風が吹いた大会3日目、佐久間朱莉が5バーディ、2ボギーの「69」で回り、フィールド唯一の60台を出して29位から3位に浮上した。朝から吹き荒れる強風にも慌てず、「手前から」と冷静に組み立てたコースマネジメントが奏功した。
ドライバーは風に左右されない低めの球を打つためにティペグを低く挿し、ボールを少し右寄りに置いた。それ以外のクラブも風の状況を見ながら追い風には「1番手下げて、しっかり振るようにしていました」。4番は128ydを9Iで寄せて4mを沈め、5番(パー5)は同じく9Iを使って108ydを1mにつけて連続バーディを奪った。
プロ3年目の20歳は、デビューした2021年に下部ツアー「京都レディース」でプロ初勝利を収め、22年のメルセデスランキングで33位に入って初シードを獲得した。今季は3月「Tポイント×ENEOS」を3位で終えたほか、予選落ちは出場9試合で1試合だけだ。
はた目には堅実な成績だが、師事する尾崎将司から一喝された。前週の「パナソニックオープンレディス」開幕前の月曜日(24日)に尾崎を訪ねると、「いつまでそこら辺で戦っているんだよ、って言われまして。『頑張ってきます』と言ってきました」。なかなか届かない頂点に焦りはないものの、「勝ちたいという気持ちは強い」と穏やかな声で闘志を燃やした。
最終日は強風に加えて雨の予報。「まずは優勝争いできる位置にいられるように耐えて、最後まで諦めずにプレーしたい」。ジュニア時代に「優勝したこともある」と好イメージを抱くコースで、首位との4打差を追う。(茨城県つくばみらい市/石井操)