国内女子ツアー

「勝ちたい」じゃなく「勝てる」 蛭田みな美は成田美寿々の“金言”で初優勝へ

2022/12/10 16:27
蛭田みな美は成田美寿々とともにイベントに出席

都内でブラックアンドホワイトスポーツウェア株式会社のイベントに出席した蛭田みな美は、ガチガチに緊張していた。「こういうの、初めてなんです…」。トークイベント、シミュレーションゴルフを使ったファンとのニアピン対決といった“お仕事”を笑顔で終えられたのは、隣で優しくフォローしてくれた成田美寿々の存在も大きかった。「こういうの、長年やってるんで」と笑う先輩に「安心感が半端ない」と感謝しきりだった。

「日本ジュニア」と「日本アマ」の2冠を引っ提げて飛び込んだプロの世界。期待を集める25歳は初シード、初優勝に惜しくも届かない状況が続いている。 この日、蛭田へのアドバイスを求められてツアー13勝の成田が発した言葉に何度もうなずいた。「『やりたい』じゃなく『できる』、『勝ちたい』じゃなく『勝てる』。勝てる、と思ってやることが一番」

今季メルセデスランキング83位ながら、一年を通した取り組みに手ごたえを感じられた部分もある。コーチをつけず、自分のフィーリングが最も良かった時期と比較しながらスイングを見つめ直した。「ここがこうだからこうなってしまう、というのを咀嚼(そしゃく)しながら練習していた」。オフは、発見した課題をトレーニング面から一緒にアプローチできるトレーナー探しが最優先事項になるという。

強化ポイントに挙げるパッティングも、2日目を終えて2位につけていた10月「富士通レディース」で変化を実感。「パターの(嫌な)緊張感がなくて、スムーズにストロークできた。少しだけ自信になりつつある」。好感触のまま臨んだファイナルQTも29位と来季前半戦で一定の試合数を見込めるポジションで終えた。

「まずはシードを第一に」と挑む2023年シーズン。心の中では「勝ちたい」ではなく「勝てる」と言い続けて、チャンスをつかみにいく。(編集部・亀山泰宏)