畑岡奈紗が鮮烈デビューの地で2年ぶり日本ツアー キャディにコーチ初起用も
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 事前(27日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6550yd(パー72)
畑岡奈紗にとって、初めて出場したツアー競技が2015年のこの大会だった。当時高校2年生。いきなり初日で首位に立つと、トップタイで最終日へ。渡邉彩香がプロの意地を見せる形で優勝したが、16歳の力強いショットは鮮烈な印象を残した。
プロとして出場した17年も2位に入った。「高校生のころは良い意味で何も考えずにピンだけを見て打っていた。最後に来たのがプロ2年目。そのときでも、今から考えれば結構、雑なゴルフをしていたのかな」と笑う。
いきなり飛び込んだ米ツアーでの戦いも6シーズン目を迎え、6勝を挙げて世界トップレベルの仲間入りも果たした。思い出の地で変化を実感するのは、経験を積み重ねたゆえの難しさだ。「グリーンの傾斜がこんなにあって、こんなに難しいんだなって。経験を積むのはいいことでもあるんですけど、(怖さを知って)ネガティブなイメージが出てしまうこともある。そういうのを出さずに良い方向に持っていきたい」と言った。
今週バッグを担ぐのは黒宮幹仁氏。今年から師事するコーチにキャディを依頼したのは初めてだ。「黒宮さんに教えてもらうようになって、新発見があって、すごく勉強になっている」。例えば、ドローのかかり具合がきついときにはクラブのヘッドを使って手先で調整していたのがこれまでの畑岡だった。「左にミスしちゃいけないときほど体を回転させて左に振り切っていかないといけない」と話すように、スイング軌道と実際の弾道の関係性について理解を深めたことで確かな根拠で立て直しを図れるようになったという。
2年ぶりの国内ツアー参戦。前回日本で試合に出場した2020年はコロナ禍で無観客の実施となり、昨夏「東京五輪」も同様だった。「あれだけのギャラリーがついてくださるのは、米国ではなかなかない。私も緊張すると思いますけど、最初に出たときから7年間の経験を生かしたマネジメントでいいプレーを見せられれば」。今度は貫録を示す側としての自覚を胸に、久々となる母国のファンに世界基準を披露する。(埼玉県飯能市/亀山泰宏)