「淡々プレー」の秘訣は鼻歌と空 岩井千怜が快挙に前進
◇国内女子◇CAT Ladies 2日目(20日)◇大箱根CC(神奈川県)◇6638yd(パー72)
4位で出た岩井千怜が8バーディ、2ボギー「66」をマークし、通算11アンダーの単独首位に躍り出た。
初Vからの勢いが止まらない。スタートの1番(パー5)で花道からの3打目をパターで50cmに寄せて楽々バーディ発進とすると、3番(パー3)では3mのバーディパットを沈めた。7番で3パットのボギーをたたいたが、9番(パー5)で取り返して「34」で折り返した。
後半もアクセルを緩めなかった。10番137ydの2打目を8Iで50cmにつけると、12番から3連続バーディを奪うラッシュ見せた。15番(パー5)でこの日2つ目のボギーをたたいたが、16番で7mのパットを沈めてすかさずバウンスバック。後半を「32」にまとめた。
「無我夢中でプレーしていた。パッティングがとても良かった。長いのも短いのも入った」と笑顔で振り返った。
私生活では映画を見て泣くこともあるという20歳だが、試合中は別。日頃からの「淡々とプレー」をこの日も徹底して意識した。
ショットまでの待ち時間が長くなったときは、自身のリズムを崩さないように空を眺めたり、鼻歌を歌ったりしているという。「雲の形や流れを見たり。空って見ていて落ち着くんですよね。鼻歌はドラマの主題歌を歌っていました」
待ち時間はあえてゴルフから意識を逸らすことでプレー中の集中力を高め、平常心でプレーすることができている。「(平常心は)難しいことだけど、きょうはかみ合ったし、コントロールできるようにもなってきた」。前週の初優勝という大きな経験を経て、自身の成長を感じている。
後続に2打差をつけて臨む自身4度目の最終日最終組は、朝から雨の予報だ。「条件はみんな同じなので、その中でも伸ばすゴルフができたら。あしたも緊張すると思うけど、淡々と。バーディチャンスを全部決める気持ちでプレーしたい」
ツアー初Vからの2週連続優勝となれば、1990年の西田智慧子、2005年の表純子に続く史上3人目。ルーキーが快挙へ、残り18ホールに挑む。(神奈川県箱根町/内山孝志朗)