逆転Vの山下美夢有 地元関西で「テンション」アップ

◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 最終日（12日）◇六甲国際GC（兵庫県）◇6527yd（パー72）

4位から出た山下美夢有が4バーディ、ノーボギーの「68」で回って通算12アンダーとし、藤田さいきを1打差で退けて逆転優勝。「去年は2位で悔しかったのでうれしい」と雪辱を果たして笑顔を弾けさせた。

4.7mの強い風が吹き荒れる難しいコンディション。「風が強かったのでバーディはなかなか獲れない。チャンスが来たときに獲れたらいい」と臨んだこの日、1番（パー5）で60ydの3打目を58度のウェッジで2mにつけてバーディを先行させると、5番で123ydの2打目を9番アイアンで2mにつけてスコアを伸ばした。

折り返し直後の10番でもピン奥からの4mのバーディパットを流し込み、14番は7番アイアンでの2打目を1.5mにつけてバーディとして、少ないチャンスを確実にモノにした。最終18番ではグリーン奥30ydから確実に寄せてパーで切り抜けた。

「優勝したいというのはあったけど、1ホール1ホールをどう攻略していくかを考えていた」。冷静なマネジメントを心掛けた最終ラウンド、タフなコンディションの中で唯一のノーボギーを記録した。「先週まではショットが良くなくて、今週も良い状態ではなかったけどうまくパットが入ってくれた。ノーボギーで回れたのはパターのおかげ」

「帰ってきたと思った。関西での試合はテンションが上がる」。家族や高校の同級生、後輩など、大阪出身の山下への5176人のギャラリーの多くの声援も追い風となり“地元逆転V”を勝ち取った。「遠いところから見に来てくれたので力になったし、心強かった。関西で優勝できたのが一番うれしい」と笑みを浮かべた。

この優勝で海外メジャー「AIG女子オープン（全英女子）」（8月4日～／スコットランド・ミュアフィールド）の出場権を獲得した。「調子が良かったら行きたい気持ちあるし、行くからには予選を通って上位で戦いたい」という思いはあるが、「いろいろな人と相談して決めたい」と決断は急がない。

メルセデスランキング、賞金ランキングはともに2位に浮上した。「まだまだ始まったばかり。まだ（シーズン）前半なので、もっともっと優勝目指していきたい」。力強い20歳はさらに上を目指す。（神戸市北区／内山孝志朗）