ピンチは「全能力」で脱出 稲見萌寧が今季初Vでランク2位に浮上
◇国内女子◇リシャール・ミル ヨネックスレディスゴルフトーナメント 最終日(5日)◇ヨネックスCC(新潟県)◇6475yd(パー72)
3打リードで迎えた16番(パー3)のピンチも、稲見萌寧はなんとか切り抜けた。ティショットが右のバンカーに飛び込み目玉となったが、「全くイメージが出てなくて、52度でちょっと開いて上から“バーン”という感じ。とりあえず前に飛ばす。もう一回バンカーでもおかしくなかった」と振り返った。
そんな危機的状況の25ydのアプローチも3mに寄せ、スライスラインのパーパットを流し込んだ。「しっかりと自分が思ったとおりに打たないと入らないと思った。うまくいって良かった。(2打目、3打目は)全能力を使った感じでしたね」
2日目にグリーン奥の池に入れてダブルボギーをたたいた続く17番(パー4)の、この日のピン位置はグリーン奥。146yd、9Iで放った2打目はグリーンに乗らずにボギーをたたいたが、「バンカーとバンカーの間(のフェアウェイ)を狙って刻みました。他の組の2人が(池に)入っているのを目撃したので」と冷静なマネジメントに徹していた。
最終18番(パー5)は50cmのパーパットを沈めてガッツポーズ。3バーディ、2ボギーの「71」で回り、2位に2打差の通算7アンダー。昨年11月「伊藤園レディス」以来、203日ぶりのツアー11勝目をあげた。
「本当に自分が想像していたよりも早く優勝できてよかった。去年はたくさん活躍できたからこそ、今年がんばらないといけない、と。1勝できてほっとしている」。昨年から苦しんできた腰痛の状態も上向きつつあるだけに表情も明るい。
メルセデスランクと賞金ランクはともに2位に浮上した。「自分がもともと何位なのかもわからなかった。とりあえず、順位というよりももう1回勝つことに集中していきたい」。ランクトップを独走する西郷真央は米ツアーに参戦中。勝利を一つひとつ積み重ねたその先に、トップの座が見えてくる。(新潟県長岡市/玉木充)