指2本分の「勇気」 2019年覇者の鈴木愛が4位発進
◇国内女子◇TOTOジャパンクラシック 初日(4日)◇瀬田GC北コース (滋賀)◇6616yd(パー72)
2年前に同じ舞台で行われた大会を制したとはいえ、鈴木愛は「毎試合必死にやるだけ」とガムシャラにプレーをしていた。
長丁場の2020-21年シーズンは41試合に出場して、優勝が7月「資生堂レディス」のみ。トップ10入り11回も、2度目の賞金女王に輝いた2019年が出場25試合で15回だったことを考えれば芳しくない数字だ。
アウトから出た初日は、出だし1番でピン奥3mを沈めてバーディ発進。4番でボギーを喫したが、6番では80ydを54度でチップインさせてイーグルを奪った。「久しぶりに安定した良いショットができた。特にウェッジの距離感がすごく良くて、パー5、パー3でバーディチャンスが多かった」
ここ1カ月、ショットを打つ際のグリップを「指2本分くらい、ちょっと頑張ってフックに」握るよう意識しているという。左手の甲がターゲット方向を向くウィークグリップを基本とするも、そのクセが強く出すぎるとクラブをトップに上げた時に「いい位置に止まらない」。ただ、単純に少しフックにして握ろうとしても左に飛んでいくイメージが払しょくできず、打つ際に違う部分で調整しようとしてしまうことが悩ましかった。
「試合で思っていることをやるのは勇気がいるんですけど、なかなかできなかったりして…」。実践するまで時間はかかったが、そんな課題を胸に回った初日は4アンダー「68」で4位。「勇気(を出したこと)を褒めてあげたい」と満足げに振り返った。
直近3試合連続で予選落ちを喫している中での好発進。「最高のスタート」と喜ぶ一方、初日「69」から2日目に「78」をたたいた2週前の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」の記憶が表情を引き締める。「気を抜くことなく、あと3日間ある。予選落ちは無いので思い切ってできたらいいなと思います」とおじけづくことなく好調キープを目指す。(滋賀県大津市/石井操)