「まだ優勝するイメージは湧いていない」 渋野日向子の復帰戦は25位
◇国内女子メジャー◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日(12日)◇静ヒルズCC (茨城県)◇6680yd(パー72)
後半17番で1mに寄せたパーパットを外し、「プチンと切れてしまった」と渋野日向子は肩をすくめた。続く18番はティショットを左に引っ掛け連続ボギー。「昨日までの3日間はめちゃくちゃ頑張って耐えたのに、最後の最後に出してしまった」と、抑えようと意識して、ここまで一度もなかった連続ボギーを、4日間72ホールの上がり2ホールで叩いた自分を責めた。
「前半からショットが良かったのに、今日一日はパターで台無しにしてしまった。めっちゃ悔しい」。11番までの3バーディを、12番の3パットを含む3ボギーで帳消しにした最終日。8月の海外メジャー「AIG女子オープン(全英女子)」から帰国し、新型コロナウイルス感染拡大防止のための2週間の隔離明け初戦となった国内ツアーは、「72-72-69-72」の4日間通算3アンダー25位という“平凡”な結果で終わった。
試合の4日間をこなすうちに平均飛距離も上がっていき、最終日は初日から14ydアップの254ydを記録した。「タテ距離もあってきていると感じるし、きょうは一番チャンスに付く回数は多かった」と渋野本人もショットの好感触をつかんでいる。
「それに、この難しいピン位置やグリーンの速さの中で、だいぶランも減ってきている。ちょっとずつスピン量も増えてきて良い感触になっている分、その中で結果を出さないといけないということもあり、今日は特にパッティングに影響してしまった」と、自身の現状を分析した。
「もっとスコアの出る内容だったなと感じるし、パターを除けば、きょうも良いゴルフができていた」と前向きにとらえる一方で、「まだ自分の中では優勝するイメージが全然湧いていなくて、トップ10に入ることもちょっと難しいんじゃないかなって考えている」と、現実を見る目はシビアだ。
11月末に控える米ツアーのQスクール挑戦も見据えている。「今年は国内ツアーも何試合かしか出ていないし、アメリカの試合も連続では出ていない。今回帰ってきて、久しぶりに連戦で出させていただくので、その中で試合慣れをして、ちょっとずついろいろかみあってくればいいかなと思います」。次週は2年前に8打差を逆転して制した「住友生命 Vitality レディス 東海クラシック」(愛知・新南愛知CC美浜コース)。充実の秋を思い描いた。(茨城県常陸大宮市/今岡涼太)