2021年 ニトリレディス

足の痛みに耐えた稲見萌寧 2度の逆転負けの“雪辱”果たす

2021/08/29 19:14
和やかなムードのなか逆転優勝を遂げた

◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 最終日(29日)◇小樽CC (北海道)◇6695yd(パー72)

東京五輪」銀メダリストの稲見萌寧が5月「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」以来の20-21年シーズン7勝目、ツアー通算8勝目を挙げた。最終日は通算11アンダー4位からトップを3打追って「67」でプレー。1打差で振り切って鮮やかに優勝をさらった。

今年ここまで、東京五輪という大舞台で活躍する一方で、膝から崩れ落ちるほどの悔しい思いを2度味わった。6月「宮里藍サントリーレディス」と前週の「CAT Ladies」は、ともに首位から最終日を出たものの逆転負けを喫した。

5月の勝利から今大会まで約3カ月の間、「このまま勝てないんじゃないかと思ったし、メンタルにも来た。負け癖がつかず、回避できて良かったです」。勝利がなかったこの期間は「長く感じた」とも言う。

ウオノメによる痛みがありながらもショットが出来たのは幸いだった

この日は、前日夜に右足裏にできたというウオノメとも闘っていた。「歩けないぐらい痛かったけど、スイングするときは痛くなかったのが唯一の救い」。前日に続き、最終日もスイングの調子に満足した様子はなく、「ショット自体は悪くはないけど、打った感覚とか狙っているところに出ていなかったり」。それでも、苦手意識のあるコースでの優勝に笑顔を見せた。

最終日に60台で回ったのは稲見と野澤真央のわずか2人で、しかも、稲見はボギーフリーで5つ伸ばしての逆転劇。過去を拭い去っても「(自己採点は)100点かなとは思うけど、私の100点は70、80点を続けていくことなので、続けられたらという感じですね」。

最終組の1つ前から出たこともプラスに働いた。「(堀)琴音さん、勝みなみさんと3人でのラウンドで、昨日から楽しみにしていて、楽しくラウンドが出来たのが良かった」と振り返った。

コロナ禍の影響で今季は2020年と2021年が1シーズンに統合され、例年より多い試合数が組み込まれているが、シーズン7勝は、1988年以降のデータでは2003年に10勝した不動裕理に次ぐ勝利数で、2015年のイ・ボミ、2019年の鈴木愛と、賞金女王を戴冠した選手と並ぶ記録。史上4人目の到達となってなお「勝ち続けることを目標に頑張りたい」と次の勝利に照準を合わせた。(北海道小樽市/石井操)

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