産後初戦の横峯さくら 復帰第一歩は「180ydしか飛ばなかった」
◇国内女子◇リゾートトラストレディス 事前(26日)◇セントクリークGC (愛知)◇6605yd(パー72)
横峯さくらが“ママさんプレーヤー”として戻ってきた。2月に第一子を出産し、昨年11月の「TOTOジャパンクラシック」以来の実戦へ向け、「不安はあるけど楽しみもある」と明るい表情で意気込みを示した。
2月4日に長男、桃琉(とうり)くんを出産し、1カ月後には復帰に向けてショット練習に臨んでいた。「まずは姿勢を正すところから。そのあとスイングに入った」。骨盤の調整や重心から着手してクラブを握った。ドライバーショットの飛距離は「打ったら180ydしかいかなくて。道のりは長いなと思った」。不安がよぎったという。
理学療法士をつけて復帰に向けて取り組んだ成果もあって「キャリーで平均225ydくらいにまで飛ぶようになった。(以前の)平均230ydとかにはまだ届いていないけど、調子自体は良くなってきています」と話した。
夜の愛息への対応は、夫で今週もキャディを務める森川陽太郎氏の「仕事」とし、二人三脚で子育てと仕事を両立させる。米ツアーでは託児所など子育ての環境は整っているが、日本ツアーにはそういったシステムはなく、「試合前に(子供を)預けて、試合後に迎えに行けるようになったらいいですよね」と願う。今大会は会場から45分ほどの場所に「家を借りた」といい、「夫のご両親が見てくれています」とサポートを受ける。
今後は、9月か10月頃に出場資格を持つ米ツアーの復帰を目指す。仕事と子育てを両立しやすい環境だが、「行けたらいいですけど、飛行機移動による子供の体調面は気がかりで…。予防接種も日本で受けさせたい」と悩みはつきない。国内ツアーは「今のところ予定はないけど、可能性があれば出たいですね」と前向きだ。
記憶にとどめてもらうにはまだ幼すぎるが、それでも「格好いいママでいたい」といい、「(ファンには)元気に帰ってきましたという姿を見せられれば」と力強くうなずく。その横峯を「コンディションとか、練習できなかったこととか考えるとすごいなって思います。尊敬します」と話したのは前週大会でツアー通算7勝目を挙げた稲見萌寧。若い選手たちへ向け、横峯がアスリートとして一つの手本を示す。(愛知県豊田市/石井操)