2021年 アクサレディス in MIYAZAKI

岡山絵里 約3年ぶり勝利の陰に「志を変えた」コーチ

2021/03/28 19:47
優勝インタビューでは涙ぐみながら

◇国内女子◇アクサレディス in MIYAZAKI 最終日(28日)◇UMKCC(宮崎県)◇6568yd(パー72)

首位と5打差の8アンダー4位から出た岡山絵里がボギーなしの5バーディ「67」をマークし、通算13アンダーで逆転優勝を飾った。2018年5月「リゾートトラストレディス」以来、2年10カ月ぶりのツアー2勝目。優勝インタビューでは「長かった」とおえつを漏らし、これまでの思いがあふれ出た。

ツアー初優勝を挙げた翌年の2019年。32試合に出場して10度のトップ10入りを果たしたが、2勝目には届かず、もどかしい思いが続いていた。「プラスに考えればよかったんですけど、マイナス要素が強かった。優勝するためには『何かを変えなきゃ』とか」。過去に横峯さくらの専属キャディを務めていたジョン・ベネット氏にスイング指導も仰いだが、離れることを決意。そこから、思いとは裏腹に「ショットがおかしくなった」という。

2020年開幕戦の「アース・モンダミンカップ」で「76」をたたいた大会初日。「前半だけで4回ぐらいOB。そこから予選落ちが続いて、その時はどうしたらいいか分からなかった」とプロになって初めて3試合連続予選落ちを喫するなど苦しんだ。

「強いゴルファーになりたい」という岡山絵里。イメージは韓国のコ・ジンヨンとか

転機は昨年11月。「20歳ぐらいの頃から知っていた」という南秀樹コーチに集中的に指導を受け始め、今年に入って契約を結んだ。技術面はもちろんのこと、「今まで考えたことなかったけど、どんなプロゴルファーになりたいか、とか志を聞いてくれて、気持ちがすごく変わった」。過去を振り返ると、コーチを変えたことも「間違っていた。自分の問題」と思い返すきっかけにもなった。

17番をパーとして、優勝するには「絶対にバーディ」と気合を込めた最終18番(パー5)。残り40yd弱の3打目をピン奥につけ、2.5mを決めてトップに抜け出した。河本結とのプレーオフも覚悟していたロッカールームで優勝を知らされると、食べていたバナナを手に真っ先に南コーチに電話した。「2人とも(互いに)おえつで、何を言っているか分からなかった(笑)。『先生のおかげで優勝できました』と伝えました」

優勝賞金1440万円に加え、最終日のベストスコア賞で100万円も手にした。「ご褒美を事前に買ってて…。アメ車の『カマロ』(シボレー)。色は黒。2、3年前から欲しかった」と岡山。映画「トランスフォーマー」を見て「めっちゃカッコイイと思って」。南コーチからは「買えるやろ?プロゴルファーなんだし、好きなものを買って頑張りなさい」と言われた。その言葉に後押しされ、720万円で購入したことも原動力になった。「今月末に納車なんです。楽しみ」と最高の笑顔を見せると、「なるべく早く3勝目を挙げたい」と躍進を誓った。(宮崎市/石井操)

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