想定外の好発進? 渋野日向子も「びっくりしています」
◇国内女子◇明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ初日(12日)◇土佐CC(高知)◇6228yd(パー72)
渋野日向子が原英莉花、勝みなみと同組となった大会初日。渋野は「“まんしけ”(しらけていた)でした」と無観客でのラウンドを自虐的に笑ったが、黄金世代トリオについて歩いた多くの報道陣だけでなく、インターネットのライブ配信を介しても多くのファンが見守っていたに違いない。
2021年、渋野は変化を続けている。ウェッジ4本を投入した新セッティングだけでなく、コンパクトなトップ位置から、シャフトを寝かし気味に下ろしてくるスイング改造は見た目にも顕著な違いだ。飛距離では同組2人に置いていかれることも多かったが「自分が飛ばなさ過ぎると思うより、2人が飛び過ぎると思って、欲を出さないようにしていました」と、今は飛距離よりも新スイングを固めることの優先度を上げている。
目標はスイングの安定感と再現性を高めること。低いトップ位置を指摘された渋野は「そこは意識してやっているので嬉しいかも」と笑顔で応えた。
「ちょっとずつ良くなればと思っていたけど、先週も20位以内(13位)に入れたし、びっくりはしています」と、初日を3バーディ、1ボギーの2アンダーで終えたことは嬉しい誤算だ。首位と3打差10位という好位置だが「優勝したい思いはあるけど、そんなに焦らずにできたらいい」と、今は結果を求めたくなる気持ちは自制している。
この日のベストホールに挙げたのは、残り95ydを51度のウェッジで1mにピタリとつけてバーディとした11番。その伏線は、ウェッジでの3打目を上6mにつけて2パットした3番(パー5)や、7mを沈めてバーディとしたものの、同じくウェッジで距離を合わせきれなかった7番(パー5)など。
「出したいキャリーは打てているけど、グリーンが固かったりしてランが出てしまっていた。アイアンも1Wも左右のブレは少なくなってきているけど、縦の距離感が合わなかった」という中で、距離を合わせきったのがこのホールだった。
「2年前はフェアウェイに真っすぐ向けばいいと思ってやっていたけど、今は風によって向く位置を変えたり、キャリーのこと(数字)や、抑えたショットを打ったりと、ない頭で考えるようになりました」とマネジメントも深まっている。
「雨が予想外に(降らず、天候が)もってくれたので、思ったより良いスコアで回れてよかったです。途中で(キャディの)早織さんと『降らないね~』って話した瞬間に降り出したので、話さなければ良かったですけどね(笑)」。ゴルフの中身は変わっても、笑いで締めることは変わらない。(高知県香南市/今岡涼太)