国内女子ツアー

笹生優花、2021年は「メジャーも獲りたい」 楽しむゴルフで夢の米ツアーも視野

2021/01/15 18:00
2021年はルーキーイヤーに続く躍進的な一年となるか

2020年と21年シーズンが統合された国内女子ツアーで、賞金ランキング1位を維持して新たな年をスタートする笹生優花が単独取材に応じた。2019年のプロテストを突破して一度は「行く」と決めたジョージア大学の進学を取りやめて飛び込んだプロの世界。コロナ禍で試合が限られるなかで2勝を挙げた自身への評価やコーチの存在、「夢」の米ツアー参戦へ向けての思いを口にした。

■「一試合一試合頑張るしかなかった」

昨年12月「全米女子オープン」に出場して日本に帰国、1月1日まで都内の自宅で自粛期間を過ごしてオフを迎えた。アスリートとして一年目の2020年は、新型コロナウイルスの影響により大会が相次いで中止となり、予定された37試合中、実施されたのは14試合にとどまった。

「もう試合をやらないんじゃないか、っていうのが頭にあった。一試合一試合頑張るしかなかった」。リランキング対象者ということもあって、その一心だったという。初戦を5位で終え、2戦目でプロ初優勝を果たすと、3戦目で宮里藍畑岡奈紗に続く10代での2試合連続優勝を成し遂げた。「少ない試合のなかでチャンスをもらえて、生かせた」。獲得賞金は9389万1170円で堂々1位を走る。

とはいえ、その位置に甘んじるつもりはない。オフは「まだまだ練習しないと。ドライバー(ショット)も練習しないとだし」と19歳らしい、しゃべり言葉を操り、「アイアンも精度をもっと高めて、アプローチの技術を安定させたい。パターもまだまだ入ってほしいなという気持ちはある」と続けた。

■「何でも聞いちゃいたいという性格」

発展途上中の19歳。挑戦は始まったばかり

1月初旬からはもう一つの故郷、フィリピンで過ごす。「特にやることは変わらず、朝起きてちょっと走ってそこから練習に行って、という感じ。あまりトレーニングに集中はできないかもだけど、先輩プロとかにアドバイスをもらおうと思います」

ゴルフ人口が少ないフィリピンで腕を磨いてきたからかもしれない。「コーチは結構いますね」という。日本では、師匠は尾崎将司で、井上透コーチらにも助言を受ける。指導する人が多いと時に迷いが生じそうだが、「聞くだけ聞いて、あとは自分がどうするかを考える。何でも聞いちゃいたいという性格なんですよね。聞いてから自分で決めていく。聞く人を一人に絞るのであれば…ロリー・マキロイですね。そういうチャンスは来ないと思うけど」

そのマキロイのスイングと比較する動画が「全米女子オープン」期間中に米女子ツアー(LPGA)の公式ツイッターに投稿された。「嬉しいですけど、比べると全然似てないと思う。もっと研究しないとな」と照れ笑いを浮かべた。

■「急いではない、まだ19歳ですし」

見据える先は?可能性は未知数だ

日本でプロ資格を手にした2019年には米ツアーのQスクールにも挑戦していた。結果はセカンドステージで敗退したが、「いつになるか分からないけど、いつか行きたいですね」と、近い将来の目標は変わらない。「その夢があってこそ、今ゴルフをしている。マイペースに、徐々に経験をいっぱい積んで、ですね。急いではない、まだ19歳ですし」

「自分の中では世界ランキングを上げていって…という感じ。行けるだけではダメだし、向こうに行って戦えるように練習しないと。でも技術的に行ける、というよりはメンタルですかね。冷静にしているつもりですけど、実際は冷静じゃないときはあります」

2021年もコロナ禍の影響は避けられそうにないが、「一試合一試合、いい成績が出せるように頑張りたい。(国内開幕戦が)沖縄からできるのであれば、一年間を通して、いつ練習を入れて休むのか、スケジューリングを組みたい。メジャーも獲りたい気持ちはある。あとはゴルフを楽しんで、かな」。世界ランキングは現時点で45位。その数字がどこまで跳ね上がるのか、注目のプロ2年目となる。(編集部・石井操)