2020年 大王製紙エリエールレディス

池からはい上がってきたボール 渋野日向子の“終わらなかった”奇跡

2020/11/20 18:12
池ポチャを覚悟した打球はなぜかグリーン周りへ。渋野日向子は2大会連続で決勝ラウンドへ

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 2日目(20日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6545yd(パー71)

後半17番(パー5)。残り226ydからの第2打を3Wで狙った渋野日向子は苦い表情を浮かべた。前日に2オンしたホール。「普通に打てれば(グリーンに)届く距離。ただ池があるため力んでしまって、軽くダフった」。無情にもボールはグリーン左手前に構える池へと一直線に向かった。

通算イーブンパーで迎えており、結果的に2オーバーになったカットラインを意識する終盤だった。水しぶきまで見え、脳裏によぎる絶望。今季3度目の予選落ちが浮かんだ。「もう、終わりを迎えたと思いましたね」。苦笑い交じりで振り返る痛恨のミスだったが、消えたはずのボールは跳ね上がって池から出てきた。

池の底が浅くなっており、地面で弾んだとみられる。「終わったと思っていたら(グリーン周りに)ボールが見えたんですよ。おっ、と思って。うれしかったですよ」。奇跡的な運も生かして25ydの第3打を3mに寄せた。予選通過の危機から一転し、2週連続の決勝ラウンド進出を決定づける、バーディを奪った。

2バーディ、4ボギーの「73」。「スコアを落とすことが多い」と鬼門に挙げる第2ラウンドでオーバーパーを喫したものの、通算1アンダーの20位にとどまりトップとは6打差。「去年ほどのビッグスコアを出せる状態ではないと思うけど、今の自分の最高のゴルフができるようにしたい」と意気込んだ。(愛媛県松山市/林洋平)

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