師匠の言葉とナショナルオープン 原英莉花が悲願のメジャーVへ独走態勢
◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子オープンゴルフ選手権競技3日目(3日)◇ザ・クラシックGC(福岡)◇6761yd(パー72)
攻めると誓ったムービングデー。原英莉花は完璧なゴルフで前半4つ伸ばして迎えた9番で下りの12mを残した。「初日にああいうパットをすべて(強気に)オーバーさせてしまった。しっかりタッチを合わせることを意識した」。急激に曲がるフックラインにうまく乗せ、最難関ホールでこの日ただ一人となるバーディを奪って拳を握った。
トップを独走して後半は14番まで「耐えながらのプレー」だった。「残り4ホールで伸ばしたいという気持ちは大きかった。ただ厳しいピンポジションだったから(ピンの)下からでもいいと思った」と臨んだ15番(パー5)は残り132ydの第3打をPWで手前8mに乗せ、これを決めてバーディ。17番(パー3)のチップインバーディにつながる流れをつくった。
首位と3打差の2位から出て7バーディ、1ボギーの「66」で通算12アンダー。2サムで最終組を回った同学年の小祝さくらを逆転して4打差つけた。「ずっと攻めてプレーはしていたけど、ミスにつながるようなことは気をつけている。集中できていることが、楽しい」。初の国内メジャータイトルに前進した裏には、持ち味の攻撃的なゴルフを支えたピンチを回避するマネジメントがある。
期待されながら優勝争いに加わっていない今季。前週のオープンウィークにジャンボ邸を訪れた。「日本オープン」5勝とナショナルオープンの重みを誰よりも知る師匠の尾崎将司に言われた。「私が自信のなさそうな顔をしていたら、ジャンボさんから『お前、来週オープンだろ』って。(ナショナル)オープンの大きさを再認識した。強い気持ちを持とうと思った」
今大会から投入するアイアンのJPX921ホットメタルプロもその場で試し、高弾道の打球を放ってみせると師匠から太鼓判を押された。「ジャンボさんから『一番良いアイアンだ』と言われて使う決心をした。高校生から見ていただいてる。これで良いんだって思えた」。さらに前週、数値を計測する機器を使ってパッティングの癖を分析した。「バックスピンがかかる傾向があった。真っ直ぐ転がるイメージで、手元を下げて肩でストロークできるように意識した」。今大会を前に修正点を洗い出してきた。
「練習の成果が出ていると思う。冷静さを失わず、しっかりフェアウェイキープを意識して、あしたも攻めのゴルフをしたい。4打差は何があるかわからない。一打一打を大事にプレーしたい」。目前に迫るビッグタイトルにも冷静に言い切った。(福岡県宮若市/林洋平)