さくらがプレーオフを制し、桃子を猛追! 賞金女王の行方は!?
「富士通レディース」最終日、賞金女王争いを演じている上田桃子と横峯さくらが、一騎打ちのプレーオフを繰り広げた。今季に入り飛躍的な成長を遂げた上田は、今や日本女子ツアーを代表する人気プレーヤー。それまでは宮里藍と横峯が人気を2分してきた感があったが、宮里が海外に渡った今、その構図は上田と横峯に移行したと言っても過言ではない。
今週末は、その2人による最終日最終組での直接対決とあり、早くからゴルフファンの関心を引いていた。その結末は、正規の18番最終ホールで上田が約80センチのウィニングパットを外してプレーオフへ突入。プレーオフ2ホール目を終え、グリーン上で笑顔を見せたのは横峯だった。対する上田は、残り3ホールで4打差を追いつかれ、さらにプレーオフでも信じがたいミスを犯した悔しさが募ってか、勝敗が決する前から涙目でプレーを続けていた。
会見でも大粒の涙を流していた上田は、ストイックなまでに勝負にこだわるタイプだ。そこから完成された、流れるようなスイングに、安定したスコアメイクを生む堅実なプレースタイル。根を詰めすぎてか、今季は胃の痛みに苦しめられる時期もあった。対して、幼少から父親の指導を受けて個性的な力強いスイングを身につけ、どちらかと言えば感性でプレーするタイプの横峯。「マイペースで頑張ります」とはよく口にしていた言葉だが、彼女の性格を良く表していると言えよう。
何かと対照的な面が多く、違った魅力を秘めている2人。互いに多くのファンを抱える理由は、そこにあるのかもしれない。しかし、ここにきて横峯の発言に変化が起きている。今週も、「(昨年から4連敗中の)これまでのプレーオフでは、気持ちが入っていなかったのかもしれません。でも、今週は賞金女王を狙いたいという気持ちがあって、最後まであきらめずに頑張れました」と話している。そう、視界が確実に開けてきた賞金女王獲得に向け、明らかに前向きな発言が目立っているのだ。
「富士通レディース」の勝利により、横峯は賞金ランク2位に上昇。トップを走る上田との差は、約1,280万円にまで迫ってきた。宮里藍と不動裕理が最終戦まで賞金女王争いを演じた2005年、その再来を予感させるような2007年。それは、ただ賞金額が詰まってきたから感じるのではなく、2人が秘めるゴルファーとしての魅力や大きな存在感があるからだ。今季も残り6試合、77期生の上田と76期生の横峯が演じる激しいライバル対決から、しばらく目が離せない日々が続きそうだ。