「たとえ1%の可能性でも、そう感じない」 鈴木愛は渋野を警戒
◇国内女子メジャー第4戦◇LPGAツアー選手権リコーカップ 事前(27日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6535yd(パー72)
賞金ランキング1位の鈴木愛は、初日同組で回るランク2位の申ジエ(韓国)とともに一組前に出るランク3位の渋野日向子へ意識を向ける。「かなり勢いを感じる選手。たとえば残り1%の可能性でも、1%の感じじゃない気がしてくる。一番注意したい」と警戒を隠さなかった。
3月「PRGRレディスカップ」最終日で初めて同組になり、いち早くブレークの気配を感じ取っていたという。「すごく良いゴルフをしていた。今季優勝するかもしれないと思った。こういう風になると感じていた部分があるので、驚きはない」。自らが今季初優勝を飾った試合ながら、新鋭のプレーが脳裏に焼き付いている
前週「大王製紙エリエールレディス」では、渋野と最終日同組で壮絶なデッドヒートを演じた。終盤17番(パー5)の第1打を池に入れ、1打差で惜敗。ツアー初の4連勝を逃した。「第2打を池に入れたら仕方ないと思える。ティショットを池に入れるのは、らしくなかった。先週この負け方をしていなかったら、今週ここまで勝ちたいとは思っていなかった」。今季最多7勝を挙げても、25歳は勝利に飢えている。
27日はプロアマ戦で最終調整。ツアー屈指の練習の虫だが、前日は6連戦目を踏まえてオフとし、ゲームセンターのクレーンゲームで1万円を使ってリフレッシュした。10月に左手親指痛で想定外の離脱。復帰後に3連勝と驚異のカムバックを見せた。「昔は練習をセーブすることに、焦る時期もあった。でも、外に出ることでゴルフを忘れられる時間がある。体調を整えるため、いまはそれも大事だと言える」。6年連続6度目の出場。事前30ホールを回り切り、心技体のすべてでやるべき準備を終えた。
ランクトップ10では最も少ない出場24試合で総額1億5302万5665円を積み重ねてきた。今大会単独2位以内なら、2年ぶり2度目の戴冠が決まる。「上に立っている方が有利だと思う。17年の時よりも落ち着いて出来る。最後に優勝したい。勝って終わりたいですね」。公式会見での終始穏やかな表情は、確かな自信を物語る。(宮崎県宮崎市/林洋平)