渋野日向子&鈴木愛 自力での逆転女王のシナリオは
シーズンは残り3戦。賞金女王争いは申ジエ(韓国)、鈴木愛、渋野日向子の三つどもえの構図だ。今週の「伊藤園レディス」(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)以降、「大王製紙エリエールレディス」(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)、「リコーカップ」(賞金総額1億2000万円、優勝賞金3000万円)と続く。
現時点で1位・申と鈴木の差は725万1530円、渋野は1356万2881円差でトップを追う。今週、鈴木と渋野が申を抜くには、鈴木は2位以内、渋野は優勝が最低条件となる。さらに、最終戦前まで“1260万円未満”の差なら自力で逆転賞金女王の可能性がある。
申が史上初の日米韓3ツアーで賞金女王となるか、鈴木が2年ぶりに返り咲くか、日本人42年ぶり2人目の海外メジャー覇者・渋野がシンデレラストーリーを締めくくるのか。いずれも1億円を突破した3人のシナリオは―。
■ 申ジエ 最速で「大王製紙エリエール」
今季3勝で1億3347万7195円を稼ぐ申は、最速で次週の「大王製紙エリエールレディス」で、初の女王に就く可能性がある。
今週の「伊藤園レディス」で優勝した場合、1億5147万7195円に到達。仮に鈴木、渋野が予選落ちとなれば、2位・鈴木との差が2552万円まで開くことになり、最終戦までランク1位の座は揺るがない。また、次週大会で2位に3000万円以上の差をつけていれば、その時点で女王が決まる立場だ。
■ 鈴木愛 逆転女王へ毎試合上位が必須
直近2連勝で猛追する鈴木は、今季最多の6勝で1億2622万5665円。今週、ランク1位に立つには、2位以内が最低条件になる。今年9月の予選落ちが“50試合ぶり”だった申の安定感を踏まえれば、残り3試合はすべて上位が必須といえる。
今週と次週は同額の賞金で、2位880万円、3位700万円の加算になる。最終戦は優勝3000万円、2位1740万円、3位1200万円と高額だ。直近出場した6試合の勝率は50%。今季トップ3に入りながら優勝を逃したのは1回と勝ち切る力もあり、最終局面で逆転を狙う。
■ 渋野日向子 最終戦前まで1260万円未満の差なら自力の可能性残す
ルーキーイヤーながら国内3勝を挙げた渋野(1億1991万4314円)は、本人が「残り全部優勝じゃなきゃダメだと思う」と言ったように、逆転に向け最も結果が求められる。今週でランク1位に浮上するには最低でも優勝が条件となる。
最終戦まで自力での戴冠の可能性を残すためには、ランク1位と1260万円未満の差にいる必要がある。優勝賞金が昨季より500万円増の3000万円となった最終戦の優勝と2位の賞金差が1260万円だからだ。現時点でトップとは1356万2881円差で、今週から2試合で少しでも差を詰め、高額の最終戦を制すれば、史上最年少での女王を決めることができる。
「伊藤園レディス」では3人の初日同組が決まり、直接対決でどんな火花を散らすか。三つどもえの決戦が、熱を帯びている。