運も味方に 渋野日向子が次なる目標「賞金女王」宣言
◇国内女子◇デサントレディース東海クラシック 最終日(22日)◇新南愛知CC美浜コース (愛知)◇6446yd(パー72)
渋野日向子が「自分でも驚いた」という8打差を逆転して、今季国内ツアーでは7月「資生堂アネッサレディス」以来の3勝目を挙げた。8バーディ「64」として通算13アンダーとし、後続を2打差で振り切った。今季の獲得賞金は目標としていた1億円を突破。2位につける賞金ランキングでは1位の申ジエ(韓国)との差を約1000万円に詰め、「次の目標は賞金女王になると思う」と宣言した。
渋野が「幸運だったと思う」と振り返る、目まぐるしく変わった天候も味方した。渋野が午前7時40分にスタートした時点では風は穏やかで、「吹く予報だったのにおかしいな」。渋野は絶好のコンディションの中で快調にスコアを伸ばし、首位との差を着々と詰めていった。
前半4番(パー3)で8mを沈めて最初のバーディを奪うと、5番(パー5)で50cm、6番で2.5mを決めて3連続バーディ。「3連続はなかなかない。今までとは違うと思った」と加速をつけ、首位との差を4打に詰めてサンデーバックナインへ向かう。
後半に入るとホールを進めるごとに風が強まったが、渋野の勢いは止まらない。10番、12番(パー5)と伸ばすと、7つ目のバーディとした15番(パー5)でついに首位を捕らえる。さらに16番(パー3)では、グリーンの左奥ラフ15ydからチップインバーディを決めてこの日一番の力強いガッツポーズ。単独首位に抜け出し、2位に1打のリードを築いてホールアウトした。
渋野のスタート時は2m/s前後だった風速は正午過ぎには5m/s(南知多地域)に達し、その後も勢いを増した。さらに渋野がホールアウトした直後からは通り雨も加わり、30分ほど横殴りの雨が選手たちの体を打ちつける。渋野の7組後方をプレーする最終組は伸び悩み、1打差を追う申ジエ(韓国)とテレサ・ルー(台湾)がともに16番(パー3)をボギーとして2打差へ。ホールアウトから約1時間40分後。ついに練習グリーンにいた渋野のもとに朗報が届き、キャディと喜びを分かち合った。(愛知県美浜町/塚田達也)